アーケード街の新鋭店「お酒の神様」

店主の野口誠さん(左)の気さくな人柄もあり、居合わせたお客同士すぐに仲良くなれる

名古屋駅と名古屋城を結ぶ円頓寺商店街は、名古屋で今最も注目されている商店街。その一角に2015年2月にオープンしたのがその名も「お酒の神様」。コの字型のカウンターには、ビールケースを重ねたテーブルが数個、さらに通りと店内を仕切る扉はビニールシートと立ち飲み屋らしいチープな構えに、酒好きならつい引き寄せられてしまう。

メニューはおふくろの味を思わせる手作りの総菜中心。刺し身におでん、揚げ物、煮物、珍味、さらにバケットを合わせるカレーまである。

「つけパンほうれん草カレー」(400円)

日本酒は3~4銘柄の地酒を常備。「一升瓶の飲み切りで、毎回違う銘柄を取り寄せています。オープンから1年間通して、一度も同じ銘柄がかぶることなく回転してきました」と店主の野口さん。2年目からは好評だったものを再び取り寄せているという。

ドリンクではユニークなはちみつ入りのハニービールも。店主いわく「ビールの本場・ドイツでは親しまれている飲み方」なのだとか。確かに甘いが、料理と合わないほどではなく、まろやかで飲みやすい。実はこの店、もともとは歴史あるはちみつ専門店で、はちみつの販売も行っている。体に優しいメニューの数々もいわばその当時から受け継がれているもの。庶民的なアーケード街という立地も含めてほっとできる1軒だ。

●information
お酒の神様
名古屋市西区那古野2-12-5
営業時間: 16時~23時(土・祝日は12時~20時)
定休日: 日曜日
アクセス: 地下鉄・国際センター駅より徒歩8分

ディープタウン・今池の立ち食い寿司「マグロー」

店内は15人も入れば満席。常に活気にあふれる

名古屋一ディープな商店街、今池。キャラの濃い飲食店やミニシアター、ライブハウスがひしめき、近年はさらに新しい飲み屋が出店ラッシュとなっている。立ち飲み店も増えていて、中でも人気沸騰中なのが2013年にオープンした「マグロー」。名古屋では珍しい立ち食いの寿司居酒屋だ。

寿司は店名の通りミナミマグロ、ビンチョウマグロ、本マグロ、中落ちなどマグロ各種が中心。白身やイカ、アナゴなど、ネタ数をしぼり込みながらもバランスよくネタがそろっている。握り一貫100円~で、ほとんどが200~300円台と格安だ。

寿司は一貫から注文できる。「ミナミマグロ」(一貫: 200円)

ネタに合わせてダシじょうゆか薄口しょうゆを塗って出してくれるのは「狭い店内ではいちいちしょうゆをつけて食べるのも面倒だろうから」という店主の気配り。「メインは酒。寿司にはこだわりはありません」と言うが、ネタは新鮮で、ふわりとしたシャリの握り加減もほどよく、なかなかの本格派だ。ビールや日本酒、焼酎、ワインなどのアルコール類をそろえ、日本酒は1合280円~とこれまたリーズナブルな価格設定となっている。

ざっくばらんな店主やサバサバした女性スタッフが回す同店は気の置けない雰囲気が広がっていて、店内は毎晩まさしく"スシ詰め"。常連も多いがなぜか不思議と溶け込め、今池という街の混沌としたムードにもぴったりだ。

●information
マグロー
愛知県名古屋市千種区今池1-12-6
営業時間: 17時30分~21時30分頃(ネタがなくなり次第終了)
定休日: 水曜日
アクセス: 地下鉄・今池駅より徒歩1分