テレビ東京系にて7月9日から放送開始する新番組『ウルトラマンオーブ』の製作発表会見が、6月9日に開幕した「東京おもちゃショー2016」内で行われた。イベントにはウルトラマンオーブに変身する主人公クレナイ・ガイ役の石黒英雄をはじめとするメインキャストと、第1・2話の監督を務める田口清隆氏が登壇。「ウルトラマン」放送開始50年という節目の年(2016年)に作られる「これまでにないウルトラマン」の抱負を語った。

上段左から、ウルトラマンオーブ(バーンマイト)、ねりお弘晃、髙橋直人、青柳尊哉、田口清隆、ウルトラマンオーブ(ハリケーンスラッシュ)。下段左から、松浦雅、水木一郎、ウルトラマンオーブ(スペシウムゼペリオン)、石黒英雄、柳沢慎吾

ウルトラマンオーブとは、地球上に現れた「魔王獣」を倒すため、風来坊クレナイ・ガイが2枚の「ウルトラフュージョンカード」を「オーブリング」にダブルリードすることでフュージョンアップ(変身)する新しいウルトラヒーロー。過去に活躍した歴代ウルトラヒーローの力を組み合わせて戦うのが大きな特徴で、光線技が得意な基本スタイルのスペシウムゼペリオンはウルトラマンとウルトラマンティガ、パワー攻撃を得意とするバーンマイトはウルトラマンタロウとウルトラマンメビウス、スピードに長け、長槍「オーブスラッガーランス」を操るハリケーンスラッシュはウルトラマンジャック(『帰ってきたウルトラマン』)とウルトラマンゼロのカードが用いられている。

昨年の『ウルトラマンX』に続いて第1・2話の演出をはじめ、作品世界の構築やキャラクター造形全般に携わっているメイン監督・田口清隆氏は、「『ウルトラマンX』では、ウルトラマンの原点回帰、王道を目指すと宣言していましたが、今回の『ウルトラマンオーブ』は今までのウルトラマン(シリーズ)をぶち壊しにするくらい、未来に向けて今後のウルトラマンを作っていくための実験をやっていこうと舵を切りました」と、新たなるシリーズの方針を説明。

そして、「今までのウルトラマンの流れとはかなり違うものになっています。スタッフ、キャストとも『今までと同じ』ことと『こうだったら面白いな』ということ、迷ったら後者を取れ!と言っています。スローガンは"迷ったら、遊べ!"です。みんなで楽しみながら作っています」と、従来のウルトラマンとは違い、かなり「ハジケた」作品を作るため全力を注いでいると宣言した。

そこに突然、第1話に登場する風ノ魔王獣・マガバッサーが姿を見せ、暴れ始めた。これに立ち向かうべく、クレナイ・ガイも駆け付け、オーブリングで「ウルトラマンオーブ(スペシウムゼペリオン」にフュージョンアップ。さらに、2枚のカードを駆使してバーンマイト、ハリケーンスラッシュなど、異なるタイプにチェンジしながら戦い、オーブはみごと勝利を収めた。

本作の主人公、陽気な風来坊クレナイ・ガイを演じる石黒英雄は、「子どものころ憧れていたウルトラマンに自分がなれるとは思わなかった。全力で役に挑みたい」と意気込みを語ったのち、本作について「夢と希望を与えることのできるすばらしい作品。いいキャスト、スタッフに囲まれて、ただいま全力で撮影中です!」と、内容の濃さやチームワークの良さをアピールしていた。

怪奇現象追跡サイト「サムシングサーチピープル(SSP)」のキャップを務める夢野ナオミ役・松浦雅は「SSPとは、宇宙人や怪獣など不思議なものが大好きな集団で、特別な能力を持たない普通の若者たちです。ナオミたちがウルトラマンに出会って、どんな風に変わっていくのかをご覧いただけたらうれしい」と、自身の役どころを笑顔で説明した。

「SSP」のメンバーで情報通の冒険青年、早見ジェッタ役・髙橋直人は「物語におけるクエスチョンを解き明かす役柄ですので、視聴者のみなさんとの目線が近いかなと思っています」と、等身大の若者像をさわやかに演じる気概を見せた。

「SSP」の調査・分析担当、松戸シン役・ねりお弘晃は「頭がいい役で、いろいろなものを作って怪獣を発見するとか、そんなことをやっています!」と、個性的なキャラクターを演じる意欲を表していた。

ガイのライバルとして登場する謎の男、ジャグラー役の青柳尊哉は「謎の、とついているだけにここではあまり多くを語れないのですが、ガイと似たリング(ダークリング)を持っていることもありますし、ガイとはこれから戦っていくのだろうかと。いろいろな事実が今後明かされていくので、楽しみにしてください」と、クールな役どころを強調した。

特捜チーム・ビートル隊に所属するナオミの叔父・渋川一徹を演じる柳沢慎吾は「すごく現場の雰囲気が良くてね! 明るく楽しく、収録も早いし(笑)。毎日『オーブ』の現場に行きたくて仕方ないですね。本番ギリギリまでしゃべってるもんね!」と、テレビのバラエティー番組で見せるキャラクターそのままに、熱気に満ちたマシンガントークで会場を沸かせた。

続いて、オープニング主題歌「オーブの祈り」を歌う「アニメ・特撮ソングの帝王」"アニキ"こと水木一郎がステージへ登場。「オーブの祈り」はTHE ALFEEの高見沢俊彦が作詞・作曲を担当し、水木と音楽ユニット「VOYAGER」のコラボレーションとなる。主題歌が流れる『ウルトラマンオーブ』のオープニング映像が上映された後、感想を求められた水木は「高見沢さんからデモテープをもらって聴いたとき、王道のヒーローソングだ、全国の子どもたちに歌ってもらえるなと確信しました。歌詞もすごくいいですし、多くの人に口ずさんでほしい。「VOYAGER」の2人と一緒に、一生懸命歌っていこうと話しました!」と、熱い「アニキ節」でコメントした。

水木にとって「ウルトラマン」の主題歌は、過去に劇場映画『ウルトラマン怪獣大決戦』『ウルトラマン物語』や、イメージソング「帰ってきたぞウルトラマン!」「ゾフィのバラード」などで関わったことがあるものの、テレビシリーズのオープニング主題歌として、なんと今回が初めてとなる。それだけに、並々ならぬ意欲で主題歌を歌おうという、強い気持ちを感じることができた。

「東京おもちゃショー2016」のバンダイブース内では、ウルトラマンオーブや魔王獣のフィギュアシリーズや、変身アイテム「オーブリング」、オーブの武器「DXオーブスラッガーランス」、そして「ウルトラフュージョンカード」を装填して遊ぶことのできるゲーム筐体「ウルトラマン フュージョンファイト!」などが展示された。

テレビシリーズ『ウルトラマンオーブ』は7月9日より、毎週土曜日あさ9時からテレビ東京系全国ネットで放送開始。また、BSジャパンでも7月19日より毎週火曜日夕方5時から放送される。

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(C)ウルトラマンオーブ製作委員会・テレビ東京