この仕事をしていると、節約でお金が貯まったと喜びの声をいただくこともあれば、節約を頑張っているつもりでもなかなかお金が貯まらないという声を聞くこともあります。そこにはある共通点が隠されていることに気付きました。今回は「自称節約上手さん」が買い物時に陥りやすい共通点をご紹介します。

「自称節約上手さん」が陥りやすい買い物時のムダ5つ

1. 特売に釣られてしまう

安く買うことはひとつの節約方法として挙げられますが、特売ばかりを追ってしまうと、必要以上に買ってしまうことがあります。「安いから買い」、これは間違いです。在庫と使用頻度を考えながら安く購入することが正解なのです。

買ったものを保管する場所に困り、隙間収納といった収納を作っているのであればこの傾向が強いと言えるでしょう。

2. 半額シール商品をカゴに入れてしまう

家計診断でレシートチェックをしたときによく見かけるのが「長いレシート」です。その理由は、商品値引きの「○%引き」という項目が追加されているからです。さて、この買い方は本当に良いといえるでしょうか?

基本は「必要なものを買う」ことですから、半額だからといってカゴに入れるのは間違いです。ただし、買い物へ行って半額の食材を使ってその日の夕飯にするといった買い物方法であればそれほど問題にはなりません。

半額買いの人に多い傾向として、「冷凍庫に半額シールが貼られたままの肉が並んでる」ことがあげられます。パックごと冷凍するのは、肉の酸化を早めたり、解凍時にうま味が逃げるドリップの原因になったりもしますので注意しましょう。

3. スーパーをハシゴする

スーパーでお得な商品とは、その日限りの数量限定の商品です。チラシでAスーパーの特売、Bストアの特売を見ればつい買ってしまいたくなるのが、値段を追ってしまう自称節約上手さんにありがちな行動です。必要なものが特売になっていて、その品だけをAスーパー、Bストアで買ってこられるならOKですが、Aスーパー、Bストアでもそれぞれ買い物をするならこれもムダのもとです。

車を使う場合も注意が必要です。距離によってはガソリン代の方が高くつくこともあるかもしれません。また、移動にかかる時間に違うことができたかもしれない……と考えて本当にハシゴ買いがいいのかも考えてみる必要があるでしょう。

冷蔵庫、冷凍庫がいつもパンパンになっている人、食べ切れずに捨ててしまっている人は買い物頻度の確認と、月1回の冷蔵庫の在庫一掃をおすすめします。

4. 「お徳用パック」「よりどり○点」を買っている

「徳用パック」のお菓子や、「よりどり○点」のお肉や野菜などは、家族の人数によっては多すぎて、もったいないからと食べ過ぎてしまう原因にもなりかねません。

また、「よりどり○点」で数合わせを頑張る人に多いのが、ネットショッピングで送料無料になるまで頑張る傾向があるということです。どちらも会計前に本当に必要かどうかを考える癖をつけましょう。

5. 割引デーでも結局ムダ遣いをしている

こちらもやはりレシートチェックをすると、チョコレートや菓子パン、お菓子、ジュース、お酒といった嗜好品類がたくさん出てきます。「買い過ぎではありませんか?」と伺うと、「チョコレートは私用で、お菓子は子供、お酒と、ジュースは夫用なんです。でも、この日はスーパーの5%割り引きデーで、お得に買えているんですよー♪」と、とても残念な回答を頂きました。

結局買ってしまえばお金は出ていくのです。割り引きデーはふだんはなかなか値引きがされないような商品や、PB商品を上手に買うにはいいとは思いますが、この買い方はもちろんNGです。

終わりに

節約を頑張っているつもりでも、結果が伴わないという方は、一度限られた予算(現金)だけを持って買い物へ行くことをおすすめします。優先順位を考えながら買い物をすれば、本領が発揮できるでしょう。また、前後のレシートを見比べてみるのもいいかもしれません。

執筆者プロフィール : 丸山晴美(まるやま はるみ)

外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している。