南米のラタム航空は5月11日、都内で新ブランド発表会を実施。ラン航空とタム航空の関連会社が統合したラタム航空は、今後3年間で商品やサービスをブランディングしていくとし、今回の発表会ではブランドコンセプトとともに、航空機のデザインや新ユニフォームなどを披露した。

日本地区副社長の山田剛氏から新デザインの機材や制服のコンセプトを発表

「日本は大きな市場」

2016年5月にハビエル・アリアス氏が日本地区支社長兼アジア地区営業統括本部長に就任

ワンワールドに加盟しているラタム航空グループには現在、ラタム航空およびペルー・アルゼンチン・コロンビア・エクアドルにある関連会社、ラタムカーゴおよびその関連会社、タム航空およびその子会社であるタム・リンハス航空(ラタム航空ブラジル)、さらにその事業部門であるタム・メルコスール航空(ラタム航空パラグアイ)、タム航空、マルチプラス社などが含まれている。これらの各航空会社は、それぞれ現行ブランドと独自性を維持した運航を継続する。

機材に関しては、ラン航空が2012年にアメリカ大陸初となるボーイング787を導入し、タム航空は2015年にアメリカ大陸で初、また、世界で4番目のエアバスA350 XWB運航会社となった。グループ全体では323機を保有し、旅客便は25カ国・地域(138都市・毎日1,500便以上)、貨物便は29カ国・地域(140都市)に就航している。なお、現在はアジアに乗り入れてはいないが、コードシェア便によって日本から北米・オーストラリアを経由して南米をつないでいる。

タム航空は2015年にエアバスA350 XWBを受領した

2016年5月に日本地区支社長兼アジア地区営業統括本部長に就任したハビエル・アリアス氏は、「ラタム航空にとって日本は大きな市場です。近い将来での計画ではないものの、長い目で見て日本就航を視野に入れています」とコメントした。また、日本地区副社長である山田剛氏は、「現在は団体での利用者が多いですが、もっと個人でも自由に利用してもらえるようにサービスを拡充していきたい」語った。

新デザイン初便がリオ五輪に向け聖火を渡す

2016年末までには50機以上が新ブランドに塗り替えられ、2018年までに全機材のデザインを切り替える予定となっている。同グループのブランドカラーであるインディゴブルーとコーラルレッドが織りなすデザインは、南米らしいユニークなおもてなしと温かみを表現している。加えて、塗装は従来よりも25%軽量化を実現する新技術を採用し、1機につき約20kgの軽量化を見込んでいる。

2018年までに全機材が新デザインに切り替わる(写真はエアバスA350 XWBのイメージ)

新ブランドがデザインされたラタム航空の初便はボーイング767が飾り、5月1日にリオデジャネイロからジュネーブに飛び、ジュネーブでオリンピックの聖火を引き継いだ。この聖火を乗せた飛行機は5月3日にブラジリアに戻り、300以上のブラジル市内を駆け巡る2016年リオオリンピックの聖火リレーの幕開けとなった。

新デザインを施したボーイング787-9のイメージ

さらに5月5日には、ラタム航空の新デザイン機がサンパウロ=サンチャゴ線(ボーイング767)、サンチャゴ=リマ線(エアバスA319)、サンパウロ=ブラジリア線(エアバスA319)の3路線を就航。2016年末までには、リマ=ワシントンD.C.線とサンパウロ=ヨハネスブルク線の就航を予定している。

新制服もブランドカラーを基調に

新機材デザインとともに発表された新ユニフォームは、2016年末までにグループ内のキャビンクルーやセールススタッフ、グラウンドスタッフなど2万3,000人以上が着用する。機材と同じくインディゴブルーとコーラルレッドを基調カラーとし、ブラジル人デザイナーのペドロ・ロレンコ氏がデザイン。スタッフの役職にも合わせて、エレガントなデザインに仕上げられている。

インフライトサービスマネージャーの制服

フライトアテンダントの制服

パイロットの制服

機内では「ラタム・エンターテインメント」を導入し、乗客のモバイルデバイスへ無線コンテンツを配信。機内誌「Vamos/LATAM」やメディアプラットフォームなどのサービスも拡充するほか、2016年内には南米産ワインリストがラタム航空グループの全国際でも提供していくという。

今回の新ブランド発表にあたり山田副社長は、「南米にはマチュ・ピチュやウユニ塩湖以外にも、さまざまな魅力があります。そんな多様性に富んだ南米に何度も訪れたくなるよう、われわれも魅力的なフライトを展開していきます」とコメントした。

ラタム航空の先に、南米の情熱が待っている