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妊娠中は、いつもより食事に気をつけているものの、やっぱり不足しがちな栄養素があります。その内容を知って、具体的な対策をとれるといいですね! 今回は、エームサービスで管理栄養士をされている西山英子さんに、お話をうかがいました。

―妊娠中に不足しがちな栄養素を教えて下さい

代表的なものとしては、鉄分、カルシウムなどがあります。今回は、カルシウムについてお話ししましょう。

カルシウムは、胎児の骨や歯を作る大切な栄養素

―カルシウムとは、どんな栄養素で、不足するとなぜ困るのでしょうか?

カルシウムは、骨は歯を作るのに欠かせない栄養素です。妊娠中は胎児の骨や歯を作るために大量のカルシウムが必要です。カルシウムが不足すると、母体の骨や歯に蓄積されたカルシウムが胎児へと運ばれ、母体の骨密度が低下します。また、胎児の骨や歯を弱らせる可能性もあります。

妊娠初期は1日650mgを目安に!

―カルシウムの必要量と、多くとれる食品を教えて下さい

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」(PDF)によれば、18歳~40歳の女性がとるべき量は650mg/日です。胎児にカルシウムが運ばれることを考えると、推奨量を目標に日々の食生活に配慮したいですね。なお、通常より多く母体に取り込まれたカルシウムは、お母さんの尿中排泄量を著しく増加させてしまうので、赤ちゃんの分まで多く摂取する必要はありません。

カルシウムを多く摂取できる食品は、大豆、大豆製品、乳製品、水菜、小松菜などです。1日に以下のような食事をとると、推奨量のカルシウムをとることができます。

・納豆1パック (45mg)
・牛乳200ml (110mg)
・小松菜のおひたし80g (136mg)
・しらす干し30g (63mg)
・わかさぎ唐揚げ70g (315mg)

※カッコの中は摂取できるカルシウムの量
※カルシウムの合計量は669mg

カルシウムを多く摂取できる簡単レシピ

―カルシウムを多く摂取できるレシピを教えて下さい

納豆の和え物が簡単で便利ですね。1人分でカルシウム95mgを摂取できます。

・材料
納豆1パック 50g / オクラ 1本 / 桜えび(乾) 適宜 / 焼き海苔 適宜 / お好みで醤油、からし等

・作り方
材料を全てボウルに入れて混ぜ、醤油で味付けするだけ。温かいご飯にのせてどうぞ。

カルシウムを多く摂取できる間食

―カルシウムを多く摂取できる間食を教えて下さい

ヨーグルトきなこがけがオススメです。ヨーグルトにきなこと砂糖をかけるだけなので簡単ですよ。

―ありがとうございました

取材協力

西山英子さん(エームサービス 管理栄養士)。給食事業を受託するエームサービス内の研究・開発部署で、イベントの企画・開発や栄養指導などの業務に携わる。

筆者プロフィール: 楢戸 ひかる(ならと ひかる)

1969年生まれ 大手商社勤務を経てフリーライターへ。HP「主婦er」にて、主婦生活に役立つ情報を発信中。とりわけ、マネーワークショップを主宰することで「家計運営の基盤づくりの啓蒙」に力をいれている。