「明日は初めてのプレゼンテーション……」なんて考えると、ベッドに入ったのに目がギラギラして頭がさえてきた――。このように気持ちが落ち着かなくて眠れないという経験はないだろうか。「ここぞ」という夜に眠れないと気持ちばかりが焦ってしまって、翌朝グッタリ……なんてことにもつながりかねない。

このように緊張やテンションが高くなってしまって夜眠れないというとき、どうしたらいいかを今回は考えてみよう。

ゆっくり眠りたくても眠れないときはないだろうか

「眠らない」と心に決める

明日への緊張や不安で眠れないというケースは毎日ではないはず。毎日眠れないのは心配だが、子どもの頃に「遠足の前の日はワクワクして眠れなかった」というのと同じように、たまに眠れないというのであれば潔く「眠らない」と決心してベッドから出てしまうのもよい。

「え? そんなんでいいの? 」と思うかもしれないが、意外とこの選択が有効な場合も。というのも、「眠れない」という感情は、寝ようとすればするほど高まってしまい、逆効果になることが少なくないからだ。ならば、その「負の連鎖」を起きるという行為で断ってしまおうというわけ。

明日のプレゼンテーションが心配だったら明日の予習を始めてもいいだろうし、映画や本などを見てもいいかもしれない。「人間、1日ぐらい寝なくても大丈夫」と大きく構えると、緊張が和らいで交感神経優位の状態からリラックス時に優位になる副交感神経へと切り替わる。すると、気づいたときには眠くなっているということもあると言われている。

だた、「起きよう! 」と決心しても、目覚ましはそのままセットしておくことが重要。「気づいたら寝ていた」という状況になったときに目覚ましを解除してしていると、取り返しのつかないことになってしまうので注意しよう。

身体を動かし、しっかり食事をする

以前より「月曜日は会議があるから緊張しちゃう」と思っているようだったら、前夜にぐっすり寝られるようにプランニングをしてみるとよい。

例えば、午前中はジムに通ったり、ランニングやトレッキングをしたりと、しっかり運動をするよう計画。いつもよりも長めに体を動かすことで、疲れを蓄積させておく。ウォーキングなどの軽い運動だとあまり疲労を感じないので、質・量とも「いつも以上」を心がけよう。

その後は牛乳やたんぱく質などの栄養をしっかり摂(と)る。疲労しても昼寝はしないのもポイントだ。そして、夕飯は8時前までにすませ、お風呂に入る。その後、ベッドに入る2時間ぐらい前に、ヨガやストレッチでからだをほぐそう。

午前中に運動する時間がなかった人は、ヨガやストレッチの前に、軽い筋トレや大きな声を出して歌うなど、一時的に「覚醒モード」になる運動を少しだけプラス。覚醒させてから徐々にヨガやストレッチでクールダウンさせていこう。こうすると、一日の中で、覚醒と鎮静で疲労を感じながらも次第に体は「お休みモード」に向かっていく。

鎮静時には、できればスマホやテレビ、PCの電源は消して、間接照明で過ごすとよい。寝る前に長風呂や熱いお風呂に入る人がいるが、逆に脳が覚醒してしまうのでNGだとされている。脳が覚醒することや交感神経が優位になることは、寝る1時間半前にすませておくようにしよう。

就寝前に興味がないことにトライする

寝る前にベッドの中で本を読むという人がいる。これは有効な場合が多いが、興味があるジャンルだと脳が興奮してしまう可能性があるので注意が必要だ。できれば、興味がない分野が理想的。活字が細かく読む気もしないようなものもいいだろう。ただし、スマホの光が脳を覚醒させる可能性があるという研究発表もあるので、ベッドの中でスマホを使うのはオススメできない。

いかがだっただろうか。新しい環境で生活リズムを整えるのが先決だが、いざというときに「眠れない不安」から脱する簡単睡眠法を覚えておいて損はない。困ったときは試してみてほしい。

からだエイジング