ヤフーは今夏、オンライン決済サービス「Yahoo! ウォレット」の新機能として、銀行口座から決済代金が即時に引き落とされる「預金払い」を追加する。合わせて、同社初の電子マネー「Yahoo! マネー」の提供も開始する。

銀行口座から決済代金が即時に引き落とされる「預金払い」機能を追加

ローンチ時点では25銀行に対応

ヤフーが運営するネットショッピングやオークションでは、ユーザーの多くが手間や手数料の負担がないクレジットカード払いを選択しているという。一方、「現金払い」の場合、代金引換、コンビニ振り込みや銀行振込などの手段が用意されているものの、クレジットカード支払いと比べて手間や手数料がかかるというデメリットがある。

非クレジットカードユーザーが感じるデメリットを解消

このたび発表された「預金払い」は、Yahoo! ウォレットに登録した銀行口座から決済代金が即時に引き落とされる支払い方法で、「ヤフオク!」「Yahoo!ショッピング」「LOHACO(ロハコ)」でのショッピングで利用できる。操作はデバイス上で完結するため、コンビニや銀行へ料金を支払いにいく必要はなく、手数料も無料。クレジットカードを使わない現金派ユーザーもショッピングをお得に楽しめる選択肢であると担当者は語る。

預金払い概要

サービス提供開始日時点での対応口座は、大手銀行4行(三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行)、ネット銀行1行(ジャパンネット銀行)、地方銀行20行(北海道銀行、秋田銀行、岩手銀行、足利銀行、常陽銀行、千葉銀行、横浜銀行、北陸銀行、百五銀行、滋賀銀行、京都銀行、池田泉州銀行、南都銀行、鳥取銀行、山陰合同銀行、広島銀行、福岡銀行、親和銀行、西日本シティ銀行、北洋銀行)の全25行を予定。口座から即時に代金が引き落とされるオンラインの決済手段においては国内最多となる。

2016年内には地方銀行12行(七十七銀行、武蔵野銀行、千葉興業銀行、八十二銀行、静岡銀行、十六銀行、近畿大阪銀行、紀陽銀行、百十四銀行、伊予銀行、愛知銀行、熊本銀行)が追加予定のほか、三菱東京UFJ銀行も年内での対応を検討しているという。

預金払い対象口座

同社初の電子マネー「Yahoo! マネー」

預金払いと合わせて発表された「Yahoo!マネー」は、同社初の電子マネー。「ヤフオク!」「Yahoo!ショッピング」「LOHACO(ロハコ)」での買い物に1円単位で利用できる。チャージは前述の「預金払い」に対応している銀行口座から100円以上1円単位で行う。

「Yahoo!マネー」

また、「ヤフオク!」で出品した際の落札代金を「Yahoo!マネー」で受け取ると、いつでも落札代金の2%が「Yahoo!マネー」として上乗せされる。オークションの落札代金はそのままYahoo! マネーにチャージされる。決済以外にも、個人間送金の受取にも対応する。

自社決済の体験モデル

電子マネーは楽天Edy、nanaco、WAONを始め競合サービスが多く、Yahoo! マネーは後発となる。同社は今後、国内最大規模のID決済機能(単体)という強みを活かし、リアル決済領域への参入も視野に入れ拡大を目指すという。