三菱自動車は20日、同社の軽自動車の型式認証取得において不正な操作が行われていたとして、会見を開くとともに、「当社製車両の燃費試験における不正行為について」とのプレスリリースを出した。
同社が国土交通省へ提出した燃費試験データに関して、燃費を実際よりも良く見せるため、不正な操作が行われていた。また、国内法規で定められたものと異なる試験方法が取られていたことも判明したという。
該当するモデルは、2013年6月から同社で生産されている「eKワゴン」「eKスペース」と、日産自動車向けに供給している「デイズ」「デイズ ルークス」の4車種。三菱自動車は該当モデルをこれまでに15万7,000台販売しており、日産自動車向けに46万8,000台を生産している(2016年3月末現在)。
すべての該当モデルの燃費試験は、開発を担当し認証届出責任を持つ三菱自動車が実施していた。次期モデルの開発にあたり、日産自動車が該当モデルの燃費を参考のため測定したところ、届出値との乖離があり、三菱自動車は試験で設定した走行抵抗値について確認を求められたという。これを受けた社内調査の結果、実際より燃費に有利な走行抵抗値を使用した不正を把握した。
今後の対応として、該当モデルは日産自動車向けも含め、生産・販売を停止する。日産自動車に対する補償については今後協議する。該当モデルのオーナーへの対応についても、「今後、誠実に対応させて頂きます」との発表にとどめている。
さらに、今回発表の該当モデル以外の国内市場向けモデルでも、社内調査の過程で、国内法規で定められたものと異なる試験方法が取られていたことが判明したという。状況の重大性を鑑み、海外市場向けモデルについても調査を行うとしている。これらの問題について、客観的で徹底的な調査を行うため、独立性のある外部有識者のみによる調査のための委員会を設置する。調査結果はまとまり次第公表するという。同社は「お客様はじめ全てのステークホルダーの皆様に深くお詫び申し上げます」と発表している。