JR東日本のリゾート列車「IZU CRAILE(伊豆クレイル)」が20日、報道関係者に公開された。常磐線特急「スーパーひたち」などで活躍した651系がベースの4両編成で、7月16日から小田原~伊豆急下田間で運行開始を予定している。
「IZU CRAILE(伊豆クレイル)」の車両番号は1号車から「クロ650-1007」「モハ650-1007」「モロ651-1007」「クロ651-1101」。1990年川崎重工製の車両を使用し、2015年11月から2016年4月にかけてJR東日本大宮総合車両センターで車両改造が行われた。女性を意識したリゾート列車として、伊豆の自然豊かな景色を眺め、食事やお酒、同行者との会話を楽しみつつ、目的地まであえてゆっくり運行されるという。
同列車は651系の力強い印象を残しながら「柔らかさ・女性らしさ」も取り入れ、エレガントな大人のリゾートを表現した外観に。車体側面窓下から車体前面にかけてピンクゴールドのラインをラッピングで施工しており、伊豆ゆかりの「桜」「海風」「さざ波」をモチーフとしたデザインとなっている。こげ茶色のアクセントラインを採用し、ヘッドマークのベース色もこげ茶色に。ヘッドマーク・ロゴマークともに「IZU CRAILE」の頭文字「I」「C」と13個の桜(伊豆の13市町に由来)のデザインとなった。
4両編成のうち1・3・4号車がグリーン車とされ、1号車(24席)は2名用のカウンター席と向かい合わせ席、3号車(22席)は全室海側に面したコンパートメント席、4号車(52席)は回転式リクライニングシートと固定式ボックスシートの配置となる。1・4号車は海側の座席に伊豆の海をモチーフとした青、山側の座席に伊豆の山をモチーフとした緑を採用。3号車の座席のオレンジは伊豆の夕日をモチーフとした。1・3・4号車ともに、モケットの柄に外装と同じ「桜」「海風」「さざ波」をデザインしている。
2号車は物販を行うカウンターと、景色を眺めながらくつろげるラウンジで構成されたパブリックスペース(座席なし)。カウンターで飲食などの販売も行われ、「伊豆の楽しさ・おもしろさを感じていただける商品」を提案するという。食事や飲み物の提供・販売を行う車内アテンダントも乗車する。東京・目黒のフレンチレストラン「モルソー」のオーナーシェフ、秋元さくら氏がプロデュースしたオリジナルメニューも提供される。
「IZU CRAILE(伊豆クレイル)」は7月16日以降、全席グリーン車指定席の快速列車として1往復運行。4号車のみきっぷでの発売、1・3号車は旅行商品での発売となる。下りは小田原駅11時40分頃発・伊豆急下田駅14時6分着で、根府川付近や東伊豆海岸線のビューポイントで徐行運転、上りは伊豆急下田駅15時9分頃発・小田原駅17時12分頃着で、東伊豆海岸線のビューポイント(駅間)で一旦停止するなどの運行サービスを行う。
同列車は7~9月の期間、土休日を中心に運行予定とされている。詳細な運転日や10月以降の運転日については決まり次第、発表するとのこと。