俳優のディーン・フジオカが、NHK総合で4月10日に放送されるドキュメンタリー番組「明日へ つなげよう『フクシマ再生 9代目・彌右衛門の挑戦』」(10:05~10:53)でナレーションを務めることが4日、わかった。
同番組は、福島・喜多方で226年続く造り酒屋の9代目当主・佐藤彌右衛門さん(65)に半年間密着したヒューマンドキュメンタリー。彌右衛門さんは、震災後に市民によるご当地電力会社「会津電力」を設立、原発事故で苦しむ福島の真の再生を目指し、豪雪地帯での太陽光発電や風力発電に挑戦している人物で、エネルギーの"地産地消"を目指して奔走している。
彌右衛門さんの最大の挑戦は、原発事故で避難が続く飯舘村での電力事業。この村で代々農業を営んできた小林稔さんとともに、新たに飯舘電力を設立、村の農地を使った太陽光発電所を計画し、村民たちの説得にあたっているが、再生可能エネルギーの許認可や送電線への接続問題など、次々と困難が襲いかかる。番組では、田園風景など美しい映像を織り込みながら、再生可能エネルギーを通して福島の再生に命をかける仲間たちの挑戦に迫る。
ナレーションを務めるのは、連続テレビ小説『あさが来た』の五代友厚役でブレイクしたディーン・フジオカ。実は福島県須賀川市出身というディーンは、「震災が起きたときにはジャカルタにいました。日本の家族にまったく電話が通じず、混乱していた当時のことを思い出します」と当時を振り返り、「あれから5年ですが、何か自分にできるやり方で、福島県の復興に関わっていきたい…太陽光や風力といった再生可能エネルギーもその大きな力になるのではないかと思っていたところ、今回の挑戦を知り共感しました」と語る。
そして、「会津の酒蔵の当主が主人公で、地元の皆さんが色んなところで実に楽しそうにお酒を飲んでいるのですが、その姿を見ていて『冬が厳しい福島、うちのおじいちゃんのまわりでも、こんな風にみんな集まって飲んでいたなあ』と、温かい記憶や故郷の言葉の響きがよみがえってきました」としみじみ。「彌右衛門さんたちはいろいろな困難にも直面しますが、福島の未来、そして故郷を愛する人たちのパワーが感じられる作品です。たくさんの方々にご覧いただければと思います」と呼びかけている。