生理が止まって1年後、やっと病院へ

入社から1年が過ぎる頃(遅すぎだろ)、私にも不安がこみ上げてきました。

将来、子供を産みたいと思っているのに、生理が丸1年もないなんて。

産婦人科の予約が取れないからとなおざりにしていたけど、もし腫瘍や卵巣異常があったらどうしよう……? 残業が続く深夜2時、ネットで最悪の事態ばかりを検索しては不安に頭を悩ませていました。

その後ついに「午前休、取ってもいいですか? 」と宣言してもぎ取った隙間時間で病院へ。医師の診断はあまりにもあっけないものでした。

「子宮? 異常ないですよ。そんなに働いてて、生理がくるわけないでしょう。仕事やめなさい」。

仕事を! やめたら! 生理はくるかもしれないけど!! 生理用品を買う金すらなくなるんだけどッ!? あーた、何かんがえとっとね!? ……と医師に噛(か)み付いてもしょうがないですよね。「激務が改善されれば生理も再開するでしょう」と言われて、ひとまず安心はしました。

生理がこなくなって2年後、さらに不安は募る

新卒3年目、プロジェクトを1人で大体回せるようになっていました。急な会議も折衝もどんとこい。後輩も入ってきて活躍の場を与えてもらう一方で、「もしかして2度と私は生理さまを拝めないのではないか」と不安を抱き始めていました。

しかもこの頃、慢性的な膀胱(ぼうこう)炎に。生理はなくても血尿は出続けます。お体さん、血を出すところを間違えてますよ……などと笑ってはいられない事態になりました。この頃は特に「生理 こない 不治」といった絶望をあおるキーワードでネット検索しては、ぐるぐる悩んでいました。

生理が"お帰りなさい"してから

その後、家庭の事情で転職をして9~18時勤務という天国のような環境を手に入れることができました。それと同時に生理がカムバック! まるで何事もなかったかのように28日周期が始まりました。

この期間、ずっとピルを飲んでいたにも関わらずこなかった生理。いや、お生理さま! ほっとすると同時に、あのときどう対処していたら、激務であっても生理をコントロールできたのだろうと考えます。

退職後、前職の人に「そういえば生理の話なんですけど」とこっそり話題を振ることが増えました。厳しい環境で生きのびている先輩方や同僚たちは、私よりずっと賢く、漢方やアロマセラピー、ときには鍼灸(はりきゅう)を活用して、体調管理をしていました。激務時代の私に足りなかったのはリラックスして生理を待ち受ける精神だったのかなぁ、と思い返します。

私と同じように生理が止まって苦しんだ皆さまに「絶対効くのはこれだ! 」とお伝えできないのは申し訳なく思います。ただ、「"生理がこないイコール病気"と勘違いして1人で落ち込むくらいなら、早めに病院に行ったほうが安心できるんだ」ということを、このコラムから感じ取っていただければうれしいです。

※本コラムは個人の体験に基づくものであり、医療的な効果などを示唆・保証するものではありません
※画像は本文と関係ありません

著者プロフィール: トイアンナ

外資系企業で約4年勤務。キャリアの一環としての消費者インタビューや、独自取材から500名以上のヒアリングを重ねる。アラサー男女の生き方を考えるブログ「トイアンナのぐだぐだ」は月間50万ページビューを記録。現在もWebを中心に複数媒体でコラムを連載中。