本田技研工業(ホンダ)は新型燃料電池自動車(FCV)「クラリティ フューエル セル」を発売した。燃料電池パワートレインの小型化を図り、ボンネット内に搭載することで、セダンタイプのFCVとして世界で初めて5人乗りを実現している。

ホンダ「クラリティ フューエル セル」

「クラリティ フューエル セル」では、70MPaの高圧水素貯蔵タンク搭載やパワートレインの高効率化と走行エネルギーの低減により、一充填走行距離(参考値)は従来比で約30%延ばした約750kmを達成。1回あたりの水素充填時間は3分程度で、ガソリン車と変わらない使い勝手を実現している。

その他、力強さと流麗さをあわせ持ったエクステリアデザイン、最高出力130kWの高出力モーターによる電動車ならではの静かで力強くなめらかなドライブフィールも特徴。可搬型外部給電器「Power Exporter 9000」を組み合わせることにより、「走る電源」として、一般家庭の約7日分の電力を供給することも可能だ。

「クラリティ フューエル セル」の導入初年度は、従来からFCV普及促進に協力している自治体や企業を中心にリースを行い、外部給電器も含めた市場における製品の使用状態や、利用者・関連団体の多様な意見と要望を収集し、その後は個人への販売を行う。また、2016年中に米国や欧州での展開も予定している。

「クラリティ フューエル セル」の参考価格は766万円(税込)だが、初年度はリース専用車両となり、リース料金は期間・プランなどにより異なる。可搬型外部給電器「Power Exporter 9000」の価格は118万円(税込)。