名瀑でマイナスイオンをたっぷりと

越生は花だけでなく、巨木や滝、社寺などのパワースポットの集積地でもある。そのため、越生町の遊び方の3つ目は「パワースポット」である。

全国巨木ランキング第16位を誇る県内一の巨木「上谷の大クス」は樹齢1,000年以上といわれ、県の天然記念物になっている。幹周りは15m、樹高はビル10階に相当する30m

日本観光百選にも選ばれた「黒山三滝」は男滝、女滝、天狗滝の3つの滝の総称で、アド街では越生梅林に次ぎ、第2位にランクインした名瀑だ。また、全国巨木ランキング(昭和63年度緑の国勢調査)で第16位に選ばれた「上谷の大クス」は、樹齢1,000年以上、幹周り15m、樹高30mで県の天然記念物にもなっている。

日本観光百選に選ばれた景勝地「黒山三滝」。左が女滝(5m)、中央が男滝(11m)、赤い橋の先を歩いていくと右の「天狗滝」(14m)がある

社寺巡りもまたいい。「龍穏寺」は15世紀将軍足利義数により創建された古刹。一度焼失したが太田道灌親子により再建された。大正2年(1913)火災に見舞われ、本堂は戦後再建されたものだが、山門、経蔵、熊野社が現存する。いずれも他にない美麗な造形で町指定文化財となっており、その神秘的な景色は町内随一のパワースポットといえる。龍穏寺のほか、熊野神社社殿は町指定文化財となっている。

太田道灌親子により再建された「龍穏寺」山門は町指定文化財。龍穏寺の経蔵は土蔵造りの壁の彫刻も素晴らしいが、内部には酒井抱一による飛龍の絵が描かれているという

存在感がスゴいあのうどんも

越生にはご当地ならではの「食」の楽しみもある。季節限定では1~3月、自然休暇村センターで地元主婦のグループが「ひもかわうどん」を提供している。素朴で優しい越生のソウルフードをぜひ味わってほしい。越生は小さなまちだが飲食店も多い。飲食店情報は越生町商工会発行の「おごせ体験探訪マップ」などにもまとめられている。また越生町では近く本格的な越生ガイドブックの発行を予定している。

梅の時期に自然休暇村センターで提供される「ひもかわうどん」(1~3月)。ひもかわうどんは並が400円、みそおでんが160円、セットなら530円だ(いずれも税込)

梅や柚子の特産品もいろいろ。梅干しは種類が多く、梅の品種も様々、値段も手頃なのでお好みで

最後に紹介する楽しみ方は「温浴・レジャー施設」だ。「ニューサンピア埼玉おごせ」は温泉(宿泊)のほか、プールやテニスコート、ゴルフ練習場、日帰り温泉「梅の湯」、レストランなどのレジャー施設も有している。また、「ゆうパークおごせ」には岩とヒノキ2種類の露天風呂や水着ゾーンでは12種類のお風呂が楽しめる。トレーニングシムなども備えられており、隣接したキャンプ場、ログハウスでは宿泊もできる。バーベキュー施設利用の際は、食材の提供もしてくれるので、遊び方がいろいろ広がりそうだ。

ニューサンピア埼玉おごせは温泉だけでなく、プール、テニスコート、ゴルフ練習場、日帰り温泉「梅の湯」などもある。画像提供: ニューサンピア埼玉おごせ

まだまだ紹介しきれないが、越生では近く、観光用のホームページもリニューアルされる予定だ。祭りも多く、武蔵越生七福神めぐりをはじめ、今後、ハイキングのオススメコースも整備される。4月29日にはハイキングのまち宣言記念「花の里おごせ健康づくりウォーキング大会」も開催されるとのことなので、この機会に都内か日帰りもできるレジャーな1日を楽しんでみてはいかがだろうか。

※記事中の情報は2016年2月のもの

筆者プロフィール: 水津陽子

フォーティR&C代表、経営コンサルタント。地域資源を生かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、企画コンサルティング、調査研究、執筆等を行っている。著書に『日本人がだけが知らないニッポンの観光地』(日経BP社)等がある。