皮膚反応検査

スギやヨモギ、イネなどの原因と考えられる抗原エキスで皮膚を刺激し、その反応をみる。皮膚が赤く大きくはれれば、それが抗原とわかる。結果までの所要時間は15分ほど。

血液検査

対象者から一定量の血を摂取し、さまざまなアレルギー原因物質との関連を検査する。スギやヒノキ、ダニに加え、小麦やそばなどの食物も含めて最大で30項目以上のアレルギーを一度にチェックできる検査方法もある。その場合、検査結果が出るまでに要する期間は1週間ほど。

「私のクリニックでは、血液検査を用いています。季節を問わず、きちんと抗原を調べたい方にお勧めです。検査項目を10項目ぐらいにしぼって検査すると、保険を適用して5,000円前後になりますね。おおよそですが、1項目あたりで400円ぐらいの費用ですし、結果表もお渡しできます」。

血液検査には保険が適応されるが、適応項目数には上限がある。仮に植物が原因の可能性が高い場合、スギやヒノキ、ブタクサなどの主要項目に特化して検査し、検査費用を安く抑えることも賢い選択だろう。検査後に新たに別の原因由来と思しきアレルギー症状が出た場合、前回の検査項目以外の項目を検査すれば、いち早く抗原を特定しやすいというメリットもある。

いわゆる「アレルギー体質」とは

血液検査に関しては、おおよそ10項目で調べ、その中の1項目には「トータルIgE」という項目を入れるパターンが多いという。

アレルギー症状に悩む人の中には、10項目中9項目が「陰性」や「疑陽性」(検査の結果が陽性と陰性の中間であること)だったとしても、「トータルIgE」の数値だけがとびぬけて高い人もいる。味木医師は、「原因物質が特定できずにこの数値が高い人を、いわゆる『アレルギー体質の人』と呼びます」と話す。

「スギ花粉は春先のみ」と考えている人も多いだろうが、厳密には春先以外でも飛散している。例えば、関東地方では8月以外のほぼ通年で飛散しており、東海・関西地方では6~9月を除いた時期で飛散が確認されたとするデータもある。そのため、敏感な人が秋口などに症状が出ても、時期的にブタクサやヨモギ由来の花粉症と勘違いしてしまう可能性もある。

はっきりと自分の抗原を知りたいという人や、先述の「いわゆるアレルギー体質」が疑わしい人は、一度アレルギー検査をしてみるのもいいかもしれない。

※写真と本文は関係ありません

記事監修: 味木幸(あまき さち)

あまきクリニック院長、慶緑会理事長。広島ノートルダム清心高校在学中に米国へ1年の留学。米国高校卒業後に母校に戻り、母校も卒業。現役で慶應義塾大学医学部入学。同大学卒業後、同大学眼科学教室医局入局。2年間の同大学病院研修の後、国家公務員共済組合連合会 立川病院、亀田総合病院、川崎市立川崎病院・眼科勤務。博士(医学)・眼科専門医取得。医師として痩身や美肌作り、メイクアップまでを医療としてアプローチする。著書も多数あり。