東京メトロはこのほど、日本の地下鉄では初めてとなる無線式列車制御システム(CBTCシステム)を2022年度末をめどに丸ノ内線に導入すると発表した。

東京メトロ丸の内線にCBTCシステムを導入へ

欧州各国などで導入されているCBTCシステムは、先行する列車の在線位置から後続列車が走行可能な位置(停止限界点)を算出し、無線を介して後続列車に伝えるしくみ。後続列車はこの情報をもとに先行列車と安全な距離を保つ速度を計算し、ブレーキを制御する。

これにより、後続列車はつねに先行列車と一定の距離を保ちながら、先行列車が進んだのと同じ距離を進行することが可能になる。この方式は「移動閉そく」と呼ばれ、あらかじめ定められた特定の区間(閉そく区間)を先行列車が完全に通過しなければ後続列車も進めない従来の方式(固定閉そく)よりも高い遅延回復効果を持つ。

東京メトロはこうした基本的な機能に加え、細かな運転指令を列車に伝達することで等間隔運転機能や駅間の停止を防ぐ機能を実装。事故などの発生で片側線路が不通となった場合に反対側線路で双方向運行を行い、運転見合わせを極力回避する単線並列運転も可能になるという。「都市鉄道における安全性・安定性向上」を目的に、機能仕様を公開する方針も明らかにされた。