JR函館本線伊納~近文間の嵐山トンネル内で27日朝に発生した出火に関して、JR北海道はこれまでの概況を説明し、28・29日の運行計画も発表している。同区間を含む函館本線深川~旭川間は29日午後以降の運転再開をめざすという。
嵐山トンネル(延長1,300m)での出火は12月27日4時6分頃。函館本線納内~近文間の上り線でき電ストップ(架線の電流または電圧の異常を検知し、架線への送電が遮断されること)が発生したことを受け、付近を走行する回送列車の運転士に現地を確認するよう指示したところ、「嵐山トンネル内の架線から火花が出ている」(4時30分頃)・「トンネル上部から出火している」(4時57分頃)旨の連絡があったという。
5時4分頃、納内~近文間の上下線ともにき電停止。その後、トンネル上部のポリエチレン(断熱防水板に使用)が燃えている旨の連絡があり、7時24分頃から消防による消火活動が開始された。11時28分頃に鎮火した後、16時49分頃から被害状況調査が始まり、19時頃、復旧作業に着手。翌28日も設備点検などの影響で、函館本線深川~旭川間・留萌本線深川~増毛間が終日運転見合わせとなった。JR北海道は出火の原因を「調査中(第三者機関へ調査依頼を行うとともに、社内で事故調査検討委員会を設置する)」としている。
函館本線深川~旭川間は、札幌駅発着のL特急「スーパーカムイ」や特急「スーパー宗谷」「サロベツ」「オホーツク」などの列車が運行される区間。28日は札幌~滝川・深川間で「スーパーカムイ」や臨時特急列車(特急形気動車を使用)を運転。深川~旭川間で代行バスが運行され、旭川駅で「スーパー宗谷」「オホーツク」と接続するダイヤとなった。「サロベツ」は札幌発・稚内発ともに運休した。
29日の運行計画に関して、「午前中は引き続き深川~旭川間でバス代行を行い、午後以降の運転再開をめざします」とJR北海道。ただし、今回の出火で損傷を受けた電力支持物(下束)の機能確認次第で変更となる場合があるとのこと。