厚生労働省は24日、「過重労働解消相談ダイヤル」と「労働条件相談ほっとライン」の相談結果を発表した。それによると、長時間労働・過重労働、賃金不払残業、休日・休暇について、計1万7,276件の相談が寄せられた。
長時間労働でうつ病、自死した人も
相談件数の内訳は、「過重労働解消相談ダイヤル」が488件(2015年11月7日)、「労働条件相談ほっとライン」が1万6,788件(2015年4月1日~11月7日)。主な相談内容は、「賃金不払い残業」が1,468件、「休日・休暇」が1,406件、「長時間労働・過重労働」が926件となっている。
特に深刻なものとしては、「食料品の製造(製造業)。毎日午前6時から翌日午前2時くらいまで働いており、1カ月200時間を超える残業をしているが、労働時間が管理されておらず、残業手当は一切支払われない。また、定期健康診断も実施されていない。事業場内では、長時間労働によりうつ病を発病し、自死した労働者もいるようだ」(50代、労働者)といった相談がみられた。
同省は、寄せられた相談のうち、労働基準関係法令上、問題があると認められるケースについては、労働基準監督署に情報提供を行い、監督指導を実施するなど、必要な対応を行うとしている。
同省労働基準局監督課は「法令違反に当たるものについては、当然指導していかなければいけない。ただ、法令違反ではないものについては、指導が難しい部分もあるため、法令の周知・啓発をしっかり行っていく」と話している。