飛行機に乗って旅行・出張をする際、空港まで・空港からのアクセスは何かと車の方が便利なことは多いもの。特に荷物が多かったり車社会の地方だったりすると、車を利用するメリットは大きい。そこで今回、成田空港利用でお得に駐車場を使う方法を紹介しよう。
格安な早朝LCC狙いで成田へ
現在、成田空港ではLCC(低コスト航空会社)の就航も増え、LCC専用の第3ターミナルも完成。成田空港は"国際線の空港"のみならず、特にリーズナブルな旅を求める国内・国際線LCC利用者にとってもなじみ深い空港になりつつある。
LCCをさらにお得に利用しようとすれば、概して安価な早朝便に注目だ。現地へ早着すれば時間の有効活用もできる。とはいえ、成田空港早朝着のハードルは高い。LCCの就航当初と比べれば、東京駅や銀座からの1,000円バスなどでアクセスは改善されてはいるが、その出発が銀座や東京駅などから早朝4時頃ともなると、都心部以外の在住者にとっては難儀するだろう。
特に大きな荷物がある場合や同行者がいる場合は、自宅と成田のドア・ツー・ドアという点においても、車でアクセスできるのは理想的。早朝なので渋滞の心配はなく、午前4時前に東関東道のインターチェンジを通過すれば高速料金の割引もある。一般道も空いているので、出発地によっては高速道路を使わないアクセスも選択肢になる。
割安な民間駐車場の利用
駐車場を選びではもちろん成田空港直結の駐車場利用が理想だが、24時間で2,060円(第3ターミナル最寄りの駐車場「P2」の場合)、例えば7日間駐車すると1万2,880円と、長期の旅になれば車を利用してまで早朝LCCを利用する理由が薄れる。
一方、民間駐車場であればお得である。筆者がよく利用する民間駐車場はネット予約割引利用で1日500円、7日間で約4,000円だ(駐車料金の他に基本料金が必要)。ポイントカードもあり、1,000円利用で1ポイント、20ポイントで次利用時に2,000円割引というのも魅力。空港との無料送迎が5分~10分間隔というのもうれしい。
空港周辺ホテルの宿泊者無料駐車場を狙え
駐車場に関してはもうひとつ、裏ワザがある。それが成田空港周辺のホテルの利用だ。周辺ホテルでは、LCC早朝便利用者をターゲットにした宿泊プランを割安で提供しているところもある。時期によっては1泊4,000円以下というケースもあり要チェックだ。そして注目なのが、宿泊者を対象に長期間駐車場を無料にするホテルもあるところだ。
例えば、「東横INN成田空港」の公式サイト予約で駐車場が10日間無料になるプランや、「ホテルスカイコート成田」ではなんと20日間無料となる。ただしスカイコートの場合、空港への無料送迎バスは6時45分が始発なので注意しよう。なお、宿泊のタイミングも出発前の「前泊」と到着後の「後泊」、いずれかの選択ができるホテルもある。
駐車期間によっては、無料駐車場付きのホテル宿泊料金よりも、一般の駐車料金が上回る「逆転現象」も見られる。もちろん、各ホテルで成田空港への無料送迎バスも運行している。成田空港周辺のホテルに宿泊し余裕を持って出発、しかも駐車場が長期無料というおいしいテクニック、車利用者はぜひ活用してみていただきたい。
※記事中の情報は2015年11月取材時のもの
筆者プロフィール: 瀧澤 信秋(たきざわ のぶあき)
ホテル評論家、旅行作家。オールアバウト公式ホテルガイド、ホテル情報専門メディアホテラーズ編集長、日本旅行作家協会正会員。ホテル評論家として宿泊者・利用者の立場から徹底した現場取材によりホテルや旅館を評論し、ホテルや旅に関するエッセイなども多数発表。テレビやラジオへの出演や雑誌などへの寄稿・連載など多数手がけている。2014年は365日365泊、全て異なるホテルを利用するという企画も実践。著書に『365日365ホテル 上』(マガジンハウス)、『ホテルに騙されるな! プロが教える絶対失敗しない選び方』(光文社新書)などがある。
「ホテル評論家 瀧澤信秋 オフィシャルサイト」