――秋元さんと媚空とで共通するところ、違うところがあれば教えてください。

媚空が、与えられた役目を果たすために私情をはさまない、というところは似ているかもしれません。私自身、仕事が終わったらすぐ帰っちゃうタイプで、周りの人とご飯を食べに行くとか、そういうのはしないんですよ。違う部分があるとすれば、使命のためには自分の弟でも斬るとか、媚空のそこまでのストイックさは自分にはないかな、と。

――今回の映画で共演された方々で、印象に残っている方を教えてください。

代知を演じた須賀健太さんには助けられましたね。媚空があのような特殊なキャラクターなので、観客の目線に立つ人物として代知のキャラクターは重要なんです。そういった意味でも、須賀さんには引っ張っていただいたなと思っています。それとバック転ができたり、運動神経が抜群なんですよ。お芝居もアクションもすごいんです。私もバック転練習しよう!なんて思いました(笑)。

――劇中では常にストイックで笑顔を見せない媚空ですが、撮影を離れた秋元さんはどんな感じだったのでしょう。

ずっとヘラヘラしていました(笑)。絶心役の佐野史郎さんがカメラ好きで、いろいろとお話をうかがったり。また、合間に三島由紀夫さんの本を読んでいたらミッキー・カーチスさんがいらっしゃって「そういえば昔、食事してた隣のテーブルに三島由紀夫がいたなあ」なんて話したりしていました。

――劇中では、秋元さんが複数人に押さえつけられた状態から腹筋を使って跳ね上がるという、かっこいいカットがありました。

私自身も、あそこの部分はカッコよくできたと思っていて、気に入っています。動きに緩急がちゃんとついていて、いい場面になったなって。

――秋元さんは、さらに本作の主題歌「繊月~光と闇の傍で~」も歌われるんですね。

すごいですよね。主演をさせていただき、主題歌まで……。もう秋元才加がギュッと詰まった映画になりました。ぜひ、たくさんの方に映画を見ていただきたいと思っています

(C)2015「媚空」雨宮慶太/東北新社

――完成した映画をご覧になっての感想と、ファンに向けての映画の見どころを教えてください。

まず、CGにこれだけ制作費をかけた作品はそうそうないかなと思います。スタッフの方々の力の入れ具合、『牙狼』10周年に対する期待値の高さがわかり、少し怖くなりました。でも、今回私がこの『牙狼』の独特な世界観の中に入ることができて、感動しました。劇中に「白か黒か、人間の心はそんなに単純なものじゃない」というセリフがあるのですが、「確かにそうだな」と考えさせられる作品になっています。10年間シリーズを応援してくださっている方たちはもちろん、初めて『牙狼』の世界に触れられる方でも楽しめる映画です。本当の強さ、本当の優しさとは何なのか、映画を見終わった後にいろいろなものを持ち帰って、多くの人たちの印象に残ればいいなと思っています。

■プロフィール
秋元才加(あきもとさやか)
1988年7月26日生まれ、千葉県出身。
AKB48卒業後、女優として、映画『奴隷区 僕と23人の奴隷』(主演)、映画『マンゴーと赤い車椅子』(主演)、舞台『国民の映画』など、数多くの作品に出演。現在公開中の映画『ギャラクシー街道』、放送中のドラマ『別れたら好きな人』(フジテレビ系)に出演中。