前園真聖が、サッカー選手として現役引退を表明したのが2005年5月19日。そこから10年の時を経て、2015年10月29日に彼は42歳の誕生日を迎えると共に「銀座でいちばん、幸せな場所」がテーマの商業ビル・キラリトギンザの開業1周年記念イベントにゲストして招かれた。この日、早朝から別のイベントにも呼ばれるなどの人気ぶり。バラエティでのブレイクをきっかけにサッカー教室や講演会などの依頼も増え、充実した忙しい日々を送っているという。
そんな彼が泥酔状態でタクシー運転手とトラブルを起こしたのが2013年10月のこと。すぐに謝罪会見を行って活動を自粛し、復帰後に周囲はその話題に触れることはなかったが、2014年6月に出演したフジテレビ系『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~10:55)がターニングポイントとなる。緊張気味の前園に対して、ダウンタウン・松本人志が前園の隣にあるグラスを指さしながら言い放った「ちょっと待ってください! それ、水割りでしょ。ウーロン茶? ホントに?」。スタジオの爆笑をきっかけに、司会の東野幸治をはじめ出演者総出、そして番組構成でも前園をイジり倒した。
その後、前園は同番組のレギュラーに抜てきされ、バーテンダーの出で立ちで申し訳なさそうにスタジオに立った。松本は「お酒のイメージを遠ざけた方がいいと思うんですけど」と早速ネタにし、その後もことあるごとに前園をイジったことで彼の現在のキャラクターが確立していく。復帰の際、前園が心に決めていた「素の自分」。バラエティに引っ張りダコになった今、その思いは結実したと言えるのか。イベント出演後のインタビューで対面したところ、謙虚さからにじみ出てくる笑いは『ワイドナショー』のままだった。
――今朝は道端アンジェリカさんと別のイベントに出演されていました。大忙しですね。
はい、イベントや収録が重なることもおかげさまで最近では多くなりました。この後も番組の収録が控えています。今日みたいに大きなイベントに呼んでいただけるのはとてもありがたいことです。お休みはあまりない状態ですが、夜中になることはあまりないので問題ありません。
――イベントや番組の出演、講演会、サッカー教室。ツイッターやブログを見ると前園さんの充実ぶりがうかがえますが、一番多いのはやはりタレント活動ですか?
それぞれ良い配分でやらせていただいています。メディアに呼んでいただいて露出することによって、サッカー関連の仕事が増えました。今の若い世代は僕の現役時代を知らない人が多いと思うので、テレビを見たことがきっかけでイベントに来てくれる小学生も増えました。それはとてもありがたいことです。
――活動の主軸、前園さんの根底にあるのはやはり"サッカー愛"なんですね。
そうですね。それがないとやっぱり落ち着かないです(笑)。でも、今の自分の肩書には特にこだわっていません。いただいた目の前の仕事をやらせていただく。そのスタンスはこれからも変わることはないのですが、仕事がなくなるかもしれないので今後のことはなんとも(笑)。とにかくいただいたものを一つ一つ丁寧に。だから特に仕事を選ぶこともなく、決まったものからスケジュールを埋めていっています。重なったことによってお断りしないといけない仕事もありますが、そのスタンスでやらせていただいています。
――今回のイベントが開かれたキラリトギンザは「銀座でいちばん、幸せな場所」がテーマだそうです。前園さんは今、幸せですか。
2年前、マイナスからのスタートでありながら、いろいろなところで声を掛けてもらえるようになったのは、本当に幸せなことだと思っています。
――最近、テレビで前園さんを見るとついつい笑ってしまいます。とても輝いていらっしゃるなと。
僕がイジられているところですよね(笑)?
――それも含めて(笑)。『ワイドナショー』毎週拝見しています。
輝いているというか、僕はいつもあそこでおどおどしているだけです。次、何言われるんだろうって(笑)。