俳優の濱田岳が22日、東京・品川区のテレビ東京天王洲スタジオで、23日スタートの同局系新ドラマ『釣りバカ日誌 新入社員 浜崎伝助』(毎週金曜20:00~20:54 ※初回は2時間スペシャル)の制作発表会見に出席し、映画版で長きにわたって主人公・浜崎伝助を演じてきた西田敏行を横にして、自身がその役を演じることへの緊張感をあらためて語った。
"釣りバカ"の主人公・ハマちゃんこと浜崎伝助が、勤務先の建設会社社長・スーさんこと鈴木一之助と巻き起こすコメディの『釣りバカ日誌』。映画シリーズでは、ハマちゃんを西田敏行が、スーさんを故・三國連太郎が演じ、22年間の長きにわたって名コンビぶりを見せてきた。
濱田は、今回の連ドラ版でハマちゃんを演じるが、相棒のスーさんを演じるのが先代・ハマちゃんの西田だ。会見で西田の隣に座った濱田は、すでに撮影が始まってから日がたっているものの、やはり緊張の面持ち。「西田さんの前で、ハマちゃんをやるということに、本当に重圧、プレッシャーを感じていた」と、自身が映画版のファンなだけに、オファーを受けてから、つらい時期もあったことを明かした。
そんな濱田に、西田は「新しいものを作っていきましょうね。私も、三國さんの後をやるというのは、とても緊張します」と声をかけたという。これをきっかけに、濱田は「今はもう、晴れやかな気持ちで撮影に臨んでいます」と役に全力投球できていることを語った。
一方、会見で第一声「昇進いたしました」と報道陣を笑わせた西田。映画版が終了して、もう同作を演じることはないと決めていたが、近所の居酒屋やタクシーの運転手に「もうやらないの?」と言われ続け、「またやってもいいのかな」と思うようになっていたという。
そんな中、「ハマちゃんをすばらしい才能のアクター(俳優)に委ねられたら、スーさん役はどうでしょう」という話があり、具体的に濱田の名前を聞いて「いいな」と出演を決意。「スーさんをやる機会を得たのは、濱田君のおかげです」と感謝を伝え、濱田は「こんなにうれしいことはないです」と感激していた。
今では、撮影後に西田が「泡の出るものを飲みに行きませんか?」と誘う仲。西田はこの飲み会で「ウサを晴らしているんじゃなくて、クリエイティブな話をしている」と、すました顔で説明したが、ハマちゃんの上司である佐々木和男課長役の吹越満は「そんなことないですよ。だいたい後半ずっと歌ってますよ」と実態を暴露した。
撮影現場では、映画版同様に、アドリブ合戦の応酬。吹越は「西田さんクラスになると、(アドリブで出る)くだらなさの説得力が違うので、ついていくのが大変」と絶賛した。その吹越も負けていないそうで、西田は、映画版で佐々木課長を演じた故・谷啓を引き合いに出し、「谷さんはジャズミュージシャンだったので、アドリブも当意即妙に返してくれた。吹越さんにはそれがある」と褒めちぎった。
また、西田は、濱田のことを役名も兼ねて「ハマちゃん」と呼び、吹越については酔っ払って言い出した「FKM」と呼んでいるといい、西田をムードメーカーに、キャスト陣の仲の良さが垣間見られる会見となった。
映画版のハマちゃんは、万年ヒラの中年サラリーマンが描かれたが、初の連続テレビドラマ化となる今作は、新入社員時代が舞台。後にハマちゃんの妻となる、広瀬アリス演じるみち子さんとの恋物語も、ストーリーの要素となっている。劇中には、釣ってきた魚の調理方法を、みち子さんが料理番組のようなテイストで紹介するミニコーナーもあり、金曜の夜に家族そろって見られるドラマとなりそうだ。