日暮里・舎人ライナーの新型車両330形が10日から営業運転を開始した。同車両の運行時刻は東京都交通局の公式Twitterアカウントにて配信予定で、10月10~12日の運用は「日暮里駅13時54分発~」とされている。

日暮里・舎人ライナー新型車両330形。日暮里駅13時54分発の列車で営業運転を開始した

東京都交通局が運営する新交通システム、日暮里・舎人ライナー(日暮里~見沼代親水公園間、営業キロ9.7km)は2008年3月に開業。これまで300形16編成(1編成あたり定員245名)で運用されてきたが、交通アクセスが向上し、沿線地域が発展したことで利用者が年々増加しており、混雑緩和に貢献する新型車両の登場が待たれていたという。今後、330形を増備していくことが報じられている。

330形は10日、回送列車として日暮里駅へ送り込まれた後、13時54分発の列車から営業運転を開始。車体前面にデビュー記念のヘッドマークも掲げられた。営業初列車は多くの利用者でにぎわい、各駅で新型車両の到着を待ち構える鉄道ファンも多かった。終点の見沼代親水公園駅に到着した後も、引き続き折返し列車で運用されていた。

同車両の製造メーカーは、ゆりかもめ7300系の設計・製造も担当した三菱重工。両開きドアで乗降りをスムーズにするとともに、車内空間を広くし、オールロングシートとするなど、輸送力向上を図った。1編成あたりの満車輸送人員は、既存車両300形と比べて97人増加したという。車内の座席はゆりかもめ7300系と同様、快適性を追求した次世代の通勤車両用シート「G-Fit」を採用。吊り手も増設され、従来の三角形の他にハート型の吊り手も登場している。荷棚も新たに設置された。

車体はオールダブルスキンアルミ構体とすることで軽量化され、前照灯・尾灯と車内照明のLED化で省エネ化・長寿命化も図られた。台車は軽量かつ低振動・低騒音でメンテナンスの容易性も備えた最新型ボギー台車「T-smover」を採用。日暮里・舎人ライナーのシンボルカラー、グリーンとマゼンタのストライプが車体前面・側面に入り、1号車の車端部にマゼンタ、5号車の車端部にグリーンを配置した外観デザインとなっている。