(左から)吉田羊、大森南朋、綾野剛、松岡茉優、星野源。

鈴ノ木ユウ原作によるTVドラマ「コウノドリ」の試写会が、本日10月7日に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズにて実施された。併せてドラマキャストによる舞台挨拶も行われ、会場には鴻鳥サクラ役の綾野剛、下屋加江役の松岡茉優、小松留美子役の吉田羊、四宮春樹役の星野源、今橋貴之役の大森南朋が登場した。

試写会の来場者は、医療従事者と医学生限定。冒頭に松岡は「医療関係者の方ばかりなので、(観終わったあと)どんなお顔をしているのかなと思っていたら、ライトで顔が全然見えなくて……逆に緊張がほぐれました」とにこやかに語る。星野も挨拶で「シリアスで冷酷な役なので、皆さんが僕のことを嫌っていないか心配でした」と笑い、「登壇したとき笑顔で迎えてくれたので楽しんでくださったのが伝わってきて、胸が暖かくなりました」と観客の反応に安心した様子を見せた。

このドラマに携わってから、出産や周産期医療に関するイメージは変わったかという質問に対し綾野は「変わりました」と即答。「生活しているなかで、赤ちゃんやお母さんを見ると必要以上に気になる。友人に妊婦がいたりすると『どういう生活送ってる?』って検診しちゃってる。『安産っていうのは結果論であってね……』とか」と熱弁すると、観客からは拍手が送られた。星野も「剛くんと同じように、街行くお母さんを見るとやけに守ろうとしてしまいます」と頷く。「四宮はある過去の出来事から感情を殺しているんですが、赤ちゃんが無事に生まれてきてほしいという思いが人一倍強いキャラクター。そう思って役作りをしていると、電車とか映画館とかで赤ちゃんが泣いているとすごくうれしくなる。うれしくて僕が泣きそうになる」と話した。

また原作マンガのファンだと語る吉田は「小松が好きなので、とにかくビジュアルを似せたい。小松はチビという設定ですが、背を縮めることはできないので前髪とお団子に命を懸けています」と原作のイメージを守る工夫を明かす。

TVドラマ「コウノドリ」は産婦人科や新生児科に関わる人たちに取材し、率直な意見を反映して番組を作ってきたという。星野は「キャストたちが揃って病院見学に行ったとき、先生が小さい声で『あんまりカッコよくしないでくださいね』っておっしゃったんです。それがどうしても頭に残っていて、赤ちゃん、ご家族、医療関係者のことを考えながら演じようと心に決めました」とドラマ作りのエピソードを披露。綾野も「素晴らしいキャストとスタッフとともに、ある種とても難しい作品に、勇気を持って向き合っています」とリスクや危険もある妊娠・出産の現場を描くドラマに主演する意気込みを話す。「『コウノドリ』という作品を一緒に旅していただけたら幸いです」と観客に語りかけ、舞台挨拶は幕を閉じた。

TVドラマの放送は10月16日22時よりTBS系にてスタート。第1話には女優・清水富美加が初の妊婦役として出演する。