大人も子どもも飛行機をテーマに遊べる場所はいろいろある

巨大な鉄の機体ながら、悠々と空を飛んでいく飛行機。飛行場で旅立ちの時を待つ飛行機にロマンを感じる人も多いのではないだろうか。今回は、そんな飛行機を大迫力で感じられるスポットを紹介しよう。

JALの仕事の疑似体験も

旅客機にまつわるあれこれを実際に体験できるのが「JAL工場見学 SKY MUSEUM」(東京都大田区)だ。羽田空港の整備場に作られた見学施設で、現役の旅客機を間近に見ることができる。

白を基調とした近未来的な展示室には、タワー状に飾られたモデルプレーンや客室乗務員の歴代の制服を展示しているほか、飛行機にまつわる仕事を疑似体験できるエリアが用意されている。「制服体験エリア」でJALスタッフの制服を着ての記念撮影のほか、「航空教室」で飛行機の仕組みを学んでみるのもいいだろう。

見学ツアーでは整備士や客室乗務員などを実際に経験してきた人が案内をしてくれるという。体験者にしか分からない飛行機の魅力などを聞けるかもしれない。見学は無料で要予約。代表者の身分証提示が必要だ。アクセスは、東京モノレール「新整備場駅」下車、徒歩2分。各駅停車しか停まらないので注意が必要だ。

ANAの整備の現場を知る

同じく日本を代表する航空会社であるANAの工場、「ANA機体メンテナンスセンター」(東京都大田区)も訪れてみたい。

入館パスをもらったら講堂で飛行機についての話を聞き、東京ドームの1.8倍という巨大な格納庫へと向かう。入館パスは記念に持ち帰ることができるとのこと。そのほかにもロビーの売店で記念品を手に入れてもいいだろう。ANAでは現在、羽田空港の整備工場のみで内部の見学ができるという。見学後は空港の展望台で飛行機が飛び立つ姿を眺めてみたい。

見学は無料で要予約。土・日曜日・祝日の見学は休みとのこと。予約は見学日の6カ月前から1週間前まで可能だが、早々に埋まってしまうこともあるため早めに手配しよう。先ほどのJALのSKY MUSEUM同様、入館には身分証が必要だ。アクセスは、東京モノレール「新整備場駅」から徒歩15分となる。

宇宙と航空の最先端技術を体験

空を飛び越えた宇宙を旅する研究をのぞいてみたいなら、JAXA(宇宙航空研究開発機構)を訪れてみよう。宇宙の研究というと人の少ない場所でされているような気がするが、実は東京都内でも見学できるところがある。「調布航空宇宙センター」(東京都調布市)だ。ここでは宇宙や航空の先進技術が研究開発されている。

館内には次世代超音速実験に使用された飛行機や、宇宙での輸送機として開発が進められている実験機が展示されている。また、国際宇宙ステーションまでの飛行シミュレーター体験や、研究に使われた飛行機のコックピットの見学なども楽しめる。宇宙についてもっと知りたい場合は館内の「本社図書館」にも立ち寄ってみよう。

見学は無料で、個人での訪問であれば予約も不要。団体であれば3週間前までの予約でガイド付きの見学ができる。土・日曜日・祝日の見学は休みとなっている。アクセスは各線「吉祥寺駅」「三鷹駅」「調布駅」よりバスを利用しよう。

コックピットに座ってパイロット気分を

東京都のお隣、埼玉県の「所沢航空発祥記念館」(埼玉県所沢市)は実際に飛行機に触れてみることのできる博物館だ。館内には飛行機や大型のヘリコプターなど、様々な航空機が展示されている。なかにはコックピットや機内に入ることができるものもあり、より飛行機を身近に感じられるだろう。

そのほか、「スペースウォーカー」という重力体験装置や飛行機やヘリコプターの操縦シミュレーターなど、体験型のアトラクションが多数ある。館内にある巨大なスクリーンを設置した大型映像館では時期ごとに映画上映も行われている。

記念館は緑豊かな所沢航空記念公園の中にあり、屋外にも飛行機が展示されている。ここには以前、明治44年(1911)に開設された日本初の飛行場があったという。滑走路の名残である縦に長く伸びる公園を見ていると、100年以上前の飛行機が舞い降りてくるように感じるかもしれない。

入館料は510円で、大型映像館は別途620円が必要。アクセスは西武新宿線「航空公園駅」より徒歩8分となる。

本物のゼロ戦を間近に見る

日本で最も歴史ある博物館のひとつである「国立科学博物館上野本館」(東京都台東区)。この中の「地球館」2階には、戦時中に実際に飛んでいた戦闘機・ゼロ戦を間近に見ることができる。海に墜落したものが発見され、その後この博物館に寄贈されたという。そのほか、ロケットのエンジンなど宇宙科学についての展示も豊富だ。入館料は620円。アクセスは各線「上野駅」より徒歩5~10分となる。

今日では飛行機は随分と日常に溶け込んでいるが、あらためて考えてみるとあの巨体が空を飛ぶなんて不思議なことだと思えてこないだろうか。時には乗るだけでなく、もう少し深く飛行機を知ってみるのも面白いかもしれない。

※写真はイメージで本文とは関係ありません

筆者プロフィール: 木口 マリ

執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。旅に出る度になぜかいろいろな国の友人が増え、街を歩けばお年寄りが寄ってくる体質を持つ。現在は旅・街・いきものを中心として活動。自身のがん治療体験を時にマジメに、時にユーモラスに綴ったブログ「ハッピーな療養生活のススメ」も絶賛公開中。