日本企業で女性初の現場スタッフに! - QCエンジニアを務めるメキシコ人の働き方

メキシコのグアナファトと言えば、スペイン植民地時代のコロニアル建築が残る街として有名です。そのイラプアト市に住むクラウディアさんは、日本の大手ゼネコンのメキシコ支社に勤め、QC(品質管理)エンジニアをしています。建設する建物に関わるすべての品質管理、竣工検査に目を光らせるのが、彼女の所属する品質部門の役割。「今はとにかく学ぶこと」という、仕事への真摯な姿勢が印象的です。

■これまでのキャリアの経緯は?

グアダラハラ大学の建築学科を2006年に卒業し、現場監督やスタッフをまとめるプロジェクトリーダー、デザインプロジェクトでは設計図を描く担当も務めました。他の建設会社と協力するときには、コーディネーターもしました。これまでにメキシコの会社に4社、ここに入る前にも日本企業に勤めていました。

この仕事を選んだのは、世界でも有名な今の会社なら仕事するだけでなく、学べることも多いと思ったからです。

■現在のお給料は以前のお給料と比べてどうですか?

月給は額面2万6,000ペソ(約21万円)です。額としてはまずまずですし、まだこの会社に入って1年目なので、これからどんどん上がっていくと信じています。今はお金よりも、日々、得られる知識のほうがなによりの報酬なんです。

■今の仕事で気に入っているところ、満足を感じる瞬間は?

いいところは、現場のサポートをするために、いろいろな場所に出張できる点です。ルーティンを繰り返す毎日ではないってことですね。今の同僚と一緒に仕事をするのもとても楽しいです。みんなとの協力体制で、いつもプロジェクトでは質の高い結果を残せています。私は会社初の現場で作業する女性の品質管理担当者なんですよ。すごく自信になります。

■逆に今の仕事で大変なこと、嫌な点は?

日本の企業なので、普段は母国語のスペイン語ではなく、英語を使っています。仕事で母国語を使えないのはなかなか大変。特に技術的な言葉になると、言いたいことをすぐに言えなくて不便ですね。

■ちなみに、今日のお昼ごはんは?

今日はステーキを現場近くの食堂で食べました。付け合せはライス、ポテト、サラダでした。カルネ・アサダ(牛肉のステーキ)はメキシコのポピュラーな料理なんです。

■日本人のイメージは? あるいは、理解し難いところなどありますか?

日本人は仕事に熱心で、その結果、高い品質と高い評価を得ているというイメージです。今の会社で日本企業は2社目なのですが、まだ日本に行ったことはありません。ぜひ日本に行って、文化に触れ、学びたいと思っています。今までたくさんの日本人と会いました。いろいろな方がいましたが、「がんばってついていこう」と思える人たちばかりでした。きっと日本の文化や伝統、テクノロジーに裏打ちされた人柄なんでしょうね。

■最近、気になる日本のニュースはありましたか？

最近のことではありませんが、第二次世界大戦後からの復興、そして世界有数の国になったことがすごいと思います。そして進歩した社会であることにはいつも驚いています。どうして想像上のものだと思っていたものが、もう現実にあるんだろう、って。しかも、そのクオリティが驚くべき高さなんですから。

■休日の過ごし方を教えてください。

旅行が好きです。メキシコの知らない場所やマジカルな街を訪ねます。家族や友人とゆっくり過ごすだけの休日も好きです。

■将来の仕事や生活の展望は?

今の自分の仕事をグレードアップし、この分野をきわめたいし、キャリア面で成長できるような経験を重ねたいです。いつか自分でビジネスを始めてみたいとも思います。今とは違った分野で……ホステルやスパの経営とか。そして、もっともっと世界を見たい、旅行したいです!