熱中症対策は「体調管理」が鍵

――熱中症対策として大切なことは何でしょうか?

「日々の体調管理」が鍵です。早寝早起き・十分な睡眠・朝昼晩の食事をきちんと取ることを心がけましょう。

エアコンが苦手で寝るときに消す、という方が結構いらっしゃるのですが、寝ているうちに熱中症になってしまうことも多いです。熱中症にならずとも、寝苦しくて眠りが浅くなることもあります。できればエアコンをつけて寝ることをおすすめします。

――食事についてはどうでしょうか?

栄養バランスをとって、3食しっかり食べることが大切です。また、ミネラルや塩分、水分を補給しやすい浅漬け、アミノ酸やビタミンが豊富な甘酒などがオススメです。甘酒は夏バテに効く飲み物として、江戸時代から親しまれているんですよ。

――食事以外の熱中症対策アイテムを教えてください

熱中症の危険度を教えてくれる熱中症計などの持ち歩きを推奨しています。また、首などを冷やすための冷却グッズ、汗を拭き取るタオルも役立ちます。

体温調節のためには、常に汗をかける状態にしておくことが大切です。そのために、汗をかいたらこまめに拭き取ることを心がけましょう。湿度が高いと汗が蒸発しにくく、体温を調節できなくなるのです。夏は汗をかいてもタオル等でしっかり拭いて、さらに汗をかきやすくしましょう。

――服装についてはどうでしょうか?

服装は通気性の良い物を選びましょう。ネクタイを外して、首の裏の動脈を冷やせるようにするとより良いですね。

日本気象協会の放送室にて。テレビでよく見る天気図はこのように画像を合成して作られている

ビジネスパーソンが気をつけること

――営業職など、出入りが多い人はどのようなことに気をつけるべき点を教えてください

外出の多い人は「温度差」に気をつけてください。外と中の気温が10度以上あると、体にダメージが出やすくなります。温度差が激しいときは、徐々に体を慣らしていくことが大切です。

――温度差を考慮した場合、オフィスの温度設定はどれくらいが望ましいですか?

推奨しているエアコンの温度は28度ですが、理想は外気温マイナス5度くらいです。快適な温度設定は人や体調に合わせて調節するといいと思います。

ちなみに内勤の人がこの時期に気をつけたいのは「乾燥」です。エアコンが付いていると空気が乾燥するので、風邪など体調不良になりやすいのです。体が弱った状態で外出して、熱中症になってしまうこともありえます。内勤の人も、こまめに水分補給をしてください。

――教えていただいた熱中症対策ですが、どれも簡単にできそうです

熱中症は、きちんと対策をしていれば必ず防ぐことができます。一方、軽症になると、そこからすぐに重症化してしまうのも特徴の一つです。ですから、適切な対応をし、ちょっとでも具合が悪い、と感じたらすぐに処置をすること。我慢してしまうと、死に至る危険性があることを、覚えておいてほしいですね。

――ありがとうございました