小説『火花』で芥川賞を受賞したお笑いコンビ・ピースの又吉直樹が16日、東京・帝国ホテルで会見を行い、「本当すごいびっくりしたんですけど、とにかくうれしいです」と喜びを語った。

芥川賞を受賞したピースの又吉直樹

又吉は、自身の受賞で新たに小説に興味を持つ人に向けて「ぼくの小説を読んで合わなくても、もう小説は読まないということにならないでほしい。100冊読んだら絶対本を好きになると思うので、そこまで頑張ってもらいたいです」と、メッセージを送った。

また、芥川龍之介に向けて「たぶん僕のような髪型は嫌いやと思います」と話し、会場を笑わせた。

『火花』は、売れない芸人・徳永と、その彼が師と仰ぐ先輩芸人・神谷の姿を通して、「笑いとは」「才能とは」「生きるとは」「人間とは」を描いた、又吉にとって初の純文学作品。掲載された文芸誌『文学界』は、異例の大増刷を記録している。

なお、今回の芥川賞は、羽田圭介氏の『スクラップ・アンド・ビルド』も受賞し、又吉とW受賞。羽田氏は、これまで『火花』をさまざまなメディアで"おすすめ本"として紹介しており、「おすすめした本が受賞して良かったなと思います」と、ともに受賞した又吉を祝った。

芥川賞発表の瞬間