日本最大級の模型の見本市「第54回 静岡ホビーショー」(主催:静岡模型教材協同組合)が、5月にツインメッセ静岡で開催された。鉄道模型の新製品も数多く発表され、ファンの関心を呼んでいた。
地元・静岡の「大井川鐡道 きかんしゃトーマス号」も模型に
最も目立っていたのが、アオシマ(青島文化教材社)の「ディーゼル機関車 DD51 北斗星」だ。会場入口正面に、実際にDD51形で使われていた実物部品と模型を合わせて展示し、来場者の注目を集めていた。
鉄道模型といえばNゲージ(1/150スケールの完成電動模型)を連想しがちだが、この製品は1/45スケールのプラモデルで、自分で組み立てて楽しむキットだ。JR北海道・JR貨物への取材にもとづき、蒸気発生器や運転台まで精密に再現している。メーカーブースでは、塗装や仕様の異なる「北斗星」牽引機と貨物列車牽引機、2種類の作例を提案していた。
静岡で開催されたイベントとあって、ご当地列車の人気も高かった。バンダイは同社の鉄道模型シリーズ「Bトレインショーティー」に、「大井川鐡道 きかんしゃトーマス号」をラインナップ。「Bトレインショーティー」はNゲージと同じ1/150スケールで、長さを縮めたかわいらしいディスプレイモデルだ。その他、、「北陸新幹線E7系」「北越急行683系 Snow Rubbit Express」など、話題の列車の製品化も発表していた。
東京駅100周年記念ラッピングのNゲージも登場
鉄道模型の代名詞であるNゲージも、新製品が充実していた。鉄道模型メーカーで最も大きなブースを構えていたトミーテックのトミックスブランドは、来春から営業運転を開始する予定の「H5系北海道新幹線」を早くもモデル化。東京駅100周年記念ラッピングを施した山手線E231系や、金色に輝く「日光詣スペーシア」の製品化も発表していた。
カトーは「アルプスの氷河特急」に続く外国形車両第2弾として、スイスの登山電車「レーティッシュ鉄道 ABe8/12(アレグラ)」をデスクトップレイアウトとともに紹介。他にも、グリーンマックスが国内初の旅行会社専用団体列車「近鉄15400系 かぎろひ」を、マイクロエースがピーチアビエーションとのタイアップ車両「南海50000系 Peach×ラピート ハッピーライナー」や、0系新幹線を模した「キハ32形・鉄道ホビートレイン」をモデル化するなど、特徴的な新製品が数多く発表されていた。
同イベントが一般に公開された5月16・17日には、近隣で鉄道模型のデモ走行を中心とした「グランシップトレインフェスタ2015」も開催された。近隣の静岡鉄道長沼車庫では、見学会も実施。いずれも入場無料で、各会場を循環するバスも運行され、イベントをはしごして楽しむ鉄道ファンの姿も見られた。