プラモデルやラジコンの有名メーカーが一堂に会し、新製品を発表するビッグイベント「静岡ホビーショー」(主催 : 静岡模型教材協同組合)。第54回を数えた今年は、5月14~17日の4日間、ツインメッセ静岡で開催された。各メーカーのブースでは、実車の展示やレーシングドライバーの撮影会なども企画され、多くのクルマ好きでにぎわった。

実車の展示も。京商ブースには『頭文字D』のハチロクが

日産のル・マン24時間レース参戦車両を各社がモデル化

今回、会場で目についたのが、16年ぶりにル・マン24時間レースに復帰する日産のプロトタイプレーシングカー「NISSAN GT-R LM NISMO」の模型化だ。

低く縦長のボディに超ロングノーズという特徴的な姿を、タミヤとABCホビーはそれぞれ1/10電動RCカーで、エブロは1/43ダイキャストミニカーで再現。オートアートなど、製品化をポスターで告知するメーカーもあった。タミヤはいち早く、7月に発売を予定。ABCホビーは参考出品ながら、実車と同じ前輪駆動のシャーシを採用していた。エブロは英国のサッカーチーム、マンチェスター・シティのカラーにラッピングされたレアな姿まで再現。力の入れ方が三者三様でおもしろい。

タミヤ「NISSAN GT-R LM NISMO LAUNCH VERSION」(7月発売予定)

ABCホビー「NISSAN GT-R LM NISMO Launch version」(参考出品)

エブロ「NISSAN GT-R LM NISMO Launch version」(参考出品)

「ピンククラウン」に加え、話題の空色・若草色バージョンもミニカーに

ここからは、カテゴリー別に注目のニューモデルを紹介しよう。まずはラジコン部門から。静岡に本社を置くタミヤは、1/10電動RCカーシリーズに4WDの新型シャーシをラインナップ。キットのボディには、やはり静岡に本社のあるスズキの現行型「ジムニー」がチョイスされた。

ヨコモは好評の1/10電動RCカーキット「ドリフトパッケージ」で、2015年D1グランプリシリーズ開幕戦で優勝した「GReddy R35 SPEC-D」を新たにリリース。京商は1/27電動RCカーにプロポやドリフトタイヤをセットした「ミニッツAWDスポーツ」に、『新劇場版 頭文字D』の登場車両を3車種追加した。

タミヤ「スズキ ジムニー(JB23)(MF-01Xシャーシ)」

ヨコモ「ドリフトパッケージ GReddy R35 SPEC-D」

京商「ミニッツAWDスポーツ 新劇場版 頭文字D」(7月発売予定)

次にプラモデル部門。タミヤは1936年に発表されたトヨタ初の量産乗用車「トヨダ AA型」を1/24スケールのキット化。旧車というよりクラシックカーの趣だ。

一方、アオシマ(青島文化教材社)はトヨタの現行型高級セダン「GRS214 クラウン アスリート G'12」を1/24スケールの「プリペイントモデル」に。「プリペイントモデル」とは、同社の塗装済みキットのシリーズで、ランナーからパーツを切り離して組み立てるだけで楽しめる手軽なプラモデルだ。ブレーキキャリパーとローターが塗り分けされているなど、なかなか芸が細かい。

タミヤ「トヨダAA型」

アオシマ「GRS214 クラウン アスリート G'12」

最後にミニチュアカー部門。エブロは今季注目のF1マシン「マクラーレン・ホンダ MP4-30」を1/43スケールのダイキャストモデルとして参考出品。同時に1/20のプラモデルキットも参考出品していた。

イグニッションモデルは、話題を呼んだ「ピンククラウン」こと「クラウン ハイブリッド アスリート G」のピンクカラーを1/43レジンモデルで再現するとともに、参考出品として、「クラウン アスリート S」の空色・若草色バージョンも同時に展示。プラモデル部門でも取り上げた21系クラウンは、京商も1/18スケールでピンククラウンをレジンモデル化するなど、国産車の現行型としては人気の題材だった。

エブロ「McLaren Honda MP4-30 2015 Prototype sample」(参考出品)

イグニッションモデル「Toyota Crown Hybrid Athlete G pink」(10月発売予定)など

ここ数年、国産の旧車や海外のスーパーカーをモデルとしたものが目立っていたが、今年は日本の新型レーシングマシンや国産車の現行型も存在感を示していた印象だった。実車人気あっての模型ということを考えると、自動車業界にとっても喜ばしいトレンドなのではないだろうか?