お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が20日、書籍『芸人と俳人』(1,404円 集英社刊)の発売記念イベントを都内で行った。
イベント前日には、自身初の長編小説『火花』が第153回芥川賞候補になったことが発表されたばかり。多くの報道陣を前に、「ありがとうございます。書いている時は想像しなかったこと。小説として正面から読んでもらえるのはうれしい」と心境を語った又吉は、芸人初となった快挙を移動中の車内で受け、「そーですかという感じだった。聞きなれない名前だったので、偉い人に怒られるかと思った」と振り返っていた。
来月16日には選考会が開かれるが、「正直、自信はない。どういう風に読んで頂けるかという期待と不安がある」と吐露しつつ、「とれたらうれしい。でも、とりたいです!とは恥ずかしくて叫べない」と控えめな態度。「次の作品を書き始められたら。いつかコメディも書いてみたい」と小説家としての意気込みを見せる又吉に、報道陣が芸人としての今後を聞くと、「辞める理由が無い。生活は変わってないし、どっちも楽しい」とキッパリ語っていた。
また、同書は、又吉が俳人の堀本裕樹に弟子入りし、雑誌『すばる』で連載した「ササる俳句 笑う俳句」をまとめた俳句入門書。「高校生の頃から興味があって、句集を読んでた。ルールを覚えれば楽しい」という又吉は、“爪切りと消しゴム競ふ絵双六”と自作の句を披露。師匠でもある堀本は、「1教えたら10返ってくるような、本当に優秀な生徒さん」と表現センスを大絶賛していた。