エミレーツ航空(本社: アラブ首長国連邦・ドバイ)は6月11日、日本国内初となる専用ラウンジを成田国際空港に開設した。これでエミレーツは世界6大陸32空港に38カ所の専用ラウンジを抱えることとなるが、その中でも成田にしかないサービスもあるという。どんなサービスなのか、開設初日に体験してみた。
モダンスタイルの中に日本の心を
成田には現在、第1ターミナルにANA、大韓航空、デルタ航空、ユナイテッド航空の4社が、第2ターミナルにはJAL、アメリカン航空、カンタス航空、キャセイパシフィック航空、チャイナエアライン、そして今回のエミレーツを加えて6社がラウンジを設置している。新設されたエミレーツのラウンジはキャセイパシフィック航空の隣にあり、エミレーツのファースト/ビジネスクラス利用者、またはフリークエント・フライヤー・プログラム「エミレーツ・スカイワーズ」のゴールド/プラチナ会員が利用できる。
開設初日にはラウンジ内で記念式典が行われた。左から、山崎浩志氏(エミレーツ 成田空港支店長)、ムタズ・アルファヒーム氏(アラブ首長国連邦大使館 臨時代理大使)、モハメッド・マター氏(エミレーツ 空港サービス上級副社長)、高野徳久氏(成田国際空港 常務取締役 事業部門長)、 ニック・リース(エミレーツ 日本支社長) |
新ラウンジは174席を設けた936.43平方メートルの空間を確保している。エミレーツは現在、関空・成田・羽田~ドバイ線をそれぞれ毎日1便運航しているが、1日1便を運航する空港に対するラウンジにしては、他社に比べてより開放的な広さになっているのではとエミレーツの山崎浩志・成田空港支店長は言う。
内装はエミレーツ機内のファースト/ビジネスクラスのエレガントな雰囲気を空港から感じられるよう、中間色のアースカラーを採用。入り口のそばには水のオブジェが設けられており、サラサラとやさしい水音にも安らぎを覚える。
イタリア大理石や高品質なイタリアンレザーを使用したソファ、そして、ジュネーブのロレックス製金メッキ壁掛け時計など、ドバイ空港にあるエミレーツのラウンジで採用されているモダンスタイルを踏襲しているが、その中に日本的なスタイルを盛り込んでいるのが特長だ。ラウンジ内には桜や着物姿の女性、城やお寺など、日本の伝統や美を伝えるインテリアが随所に飾られている。
シェフが提供する揚げたて天ぷらも
そんな日本ならではの魅力は、ラウンジ内で自由に楽しめるグルメにも表現されている。タブレ(中東風サラダ)やショルバアッダス(レンズ豆のスープ)ような中東料理をはじめ、パスタやステーキなどの洋食、そして、天ぷらや寿司などの和食を提供しているが、特に天ぷらはエミレーツにとってこのラウンジでの提供が初となる。ラウンジにはシェフも勤務しており、揚げたてのサックリとした食感が楽しめる。
また、カレーはダールマカーニ(豆カレー)に加えて日本人好みのチキンカレー、さらに、チキンティッカマサラ(チキンのイギリス風カレーソース煮)がそろう。ライスもサフランライスと白米から選べ、そばには福神漬けやラッキョウが添えられているのもうれしいところ。少しずつ盛って、それぞれの味を食べ比べてみるといいだろう。
そして、ドリンクはシャンパンやワイン、ビール、リキュール、フレッシュジュースやコーヒーなどをとりそろえているが、今後、日本酒も加わる予定となっている。
ラウンジでは無料Wi-Fiサービスのほか、パソコンやプリンターなど各種機器を取りそろえた無料のビジネスセンターも設置している。フライト直前まで仕事ができるほか、旅のプランニングにも有効活用できそうだ。そのほか、ラウンジ内には礼拝堂があり、シャワー施設は混雑を回避できるよう、4つ設置している。加えてトイレに温水洗浄便座を設置しているのも、エミレーツのラウンジではここ成田だけとなっている。
エミレーツはラウンジに対してこれまで3億3,000万米ドルを超える投資をしており、今回のラウンジ開設に対しても400万米ドルを超える投資を行っている。成田のエミレーツ専用ラウンジのオープン時間は、17:20~21:20(火・水曜日)、18:00~22:00(日・月・木・金・土曜日)。次回の旅の前には、デザインやサービスで定評が高いエミレーツの日本初ラウンジでゆったりとしたひとときを過ごしてみてはいかがだろうか。