マンションを購入するときに気になるのは予算と立地のバランス。中心部に近ければ近いほど価格は高くなり、安さを重視すると都心からは遠ざかってしまう。
物件価格が高騰している東京都内には、まだ「穴場」といえるエリアは残っているのだろうか。首都圏を中心にのべ3,000件以上の物件を見てきたという不動産コンサルタントの岡本郁雄さんに、首都圏の穴場エリアを教えてもらった。
「穴場」の条件とは?
――ズバリ、首都圏でマンションを買うときの「穴場」って本当にあるんですか?
私は穴場とは、"エリアパフォーマンス"の高いところと考えています。
――エリアパフォーマンス?
今は、そんなに注目されていないけど、実は暮らしやすい場所のことです。これを3つの観点から分析してみました。
1つは「ターミナル駅に近い」ことです。東京では注目エリアが毎年のように変わりますよね。それに、成長企業の多くは、都内で拠点を移動することもよくあります。そのため「特定の場所に行きやすい」ことよりも、さまざまな場所にアクセスしやすいターミナル駅に近い方が、働く世代にとっては便利だと思います。
――そのほかの条件は?
2つ目は「周辺に開発の余地と計画があること」です。例えば品川駅周辺エリアの場合、かつての倉庫街に新しいマンションがどんどん建っていますし、東京都は、品川駅周辺を「日本の成長を牽引する国際交流拠点」として街づくりのガイドラインを策定しています。こうしたエリアは、将来的な利便性のアップや生活スタイルの向上が期待できます。
3つ目は価格がまだ値ごろ感があること。3LDKが4,000万円台で買えるエリアなら、子育て層でも十分手の届く価格帯です。
オススメその1 「勝島」
以上の条件を踏まえてまずオススメしたいのは、品川・湾岸エリアの「勝島」地区です。何といっても品川駅へのアクセスが良好です。品川駅はリニア中央新幹線の始発となる予定ですし、羽田空港へのアクセスを強化する構想もあり、注目度は増しています。
品川―田町間の新駅を含めた再開発計画もありグローバル化といったキーワードも当てはまります。勝島は、品川駅も身近かつ、かつ運河に囲まれていて、水や緑と触れ合えるスポットも豊富です。京急線は、横浜方面から先へも続き後背地も大きい。羽田空港へのアクセスも良好で、今後も成長すると予想されます。
オススメその2 「板橋」
城北エリアの「板橋」周辺は、かつての宿場町も多く古い街の雰囲気を残しながらも、大規模マンションや新しいショッピングモールなどもできて、新旧がミックスした活気あるエリアになっています。品川駅と同様に池袋周辺でも再開発が進んでいますね。大規模マンションが多いだけに、今なら選択肢も少なくないはずです。
オススメその3 「北千住」
もう1つは、城東エリアの「北千住」周辺。ここの魅力は何といっても、都心へのアクセスの良さ。東京メトロ日比谷線、千代田線、JR常磐線、東武伊勢崎線、つくばエクスプレスと、5線も利用可能。2012年に駅前に東京電機大学のキャンパスが移転し街のイメージもアップ。さらに、東京都などが駅西口の再開発を行う予定。商店街もショッピングモールもあり、飲食店も多く、面白みのある街ですね。
便利で住みやすく、かつお手頃価格という一見無謀な条件。しかしながら、「エリアパフォーマンス」を軸に考えると、ぴったりマッチする物件が見つかるかもしれない。幸せは意外と、すぐそばにあるのかも!?