鳥羽水族館では、公式ホームページのコンテンツ「飼育日記」にて、クモガタウミウシの寄生虫「バナナムシ(仮)」について公開している。

2匹のバナナムシ(仮)を発見

同コンテンツは、同館の職員が飼育している生きものたちの様子や裏話などを紹介するコーナー。4月17日には、飼育研究部の森滝丈也さんが、水槽の底に横たわる奇妙な黄色い生きものを発見したことを公開した。5月6日は、それがクモガタウミウシの寄生虫であったと紹介している。

5月14日には2匹のバナナムシを「へんな生きもの研究所」の水槽で発見したことを公開。森滝さんは、2日前にバナナムシを宿した1匹を含むクモガタウミウシ計3匹を、予備水槽からその水槽へ移動させたばかりであったことから、この個体から出てきたのでは、と推測している。

透けて見えるバナナムシ

森滝さんは、正体を突き止めようと、ガラス板にはさんで圧片標本化を試みた。後端付近からV字に溝が走っているのが見えるが、これは全個体に共通した特徴であるという。

バナナムシを標本化

同館では、バナナムシがクモガタウミウシの体腔から出る際には、その体壁を突き破ることも突き止めた。解剖なども試み、バナナムシはクモガタウミウシの組織に寄生して、成長すると体内で自由に動き回ることも発見したが、依然として正体は「不明」だという。

※(C)TOBA AQUARIUM