上野動物園は6月3日、同園公式Webページにて、ジャイアントパンダ繁殖についての状況報告を行った。

左「リーリー」(オス)と、右「シンシン」(メス) ※画像提供:公益財団法人東京動物園協会

これまで交尾に至るような強い発情行動は見られず

同園では、ジャイアントパンダ繁殖に向けた準備を進めているが、今回はパンダの一般的な繁殖期間である2月から5月までの繁殖状況について報告した。

ジャイアントパンダの自然交配を目指し、2頭のパンダの発情兆候を注意深く観察してきたところ、「リーリー」(オス)は、1月上旬ごろから頻繁に「シンシン」(メス)のにおいに興味を示し、恋鳴き、においつけ、水浴びなどの発情を示す行動が見られてきた。「シンシン」は、3月中旬から水浴びをする、鳴き交わすなどの、発情に関する行動が若干見られたが、発情行動の発現は散発的で、これまで交尾に至るような強い発情行動は見られなかった。

ジャイアントパンダの繁殖期は一般的には年1回、2月から5月にやってくることが多いが、6月以降も発情が見られる可能性があるため、引き続き、通常の飼育管理の中で2頭の状態を注意深く観察を行う。今後も、発情兆候が強く現れた場合は展示を中止することがあるという。

なお、2015年2月9日から、ジャイアントパンダ繁殖に向けた準備のため、パンダ舎観覧通路外側に目隠し(フェンス)を設置していたが、パンダの一般的な繁殖期間である2月から5月を過ぎたため、繁殖準備のための目隠し(フェンス)を、6月8日に一旦撤去することにした。

ジャイアントパンダ運動場は「観覧通路以外」の場所からでも「観覧通路ごしに」一部が見える構造になっている。目隠し(フェンス)は「観覧通路の外側」(観覧通路の背中側)に設置しており、目隠し(フェンス)を設置している間は観覧通路に入れば展示室や運動場が見られるが、目隠し(フェンス)の外からは見ることができない。