「『NINKU-忍空-』TV放送20周年記念!Blu-ray BOXイベント」が9日、東京・新宿ピカデリーで開催され、主要キャスト陣が登壇し、トークショーやミニライブを行った。

左から真殿光昭、小杉十郎太、松本梨香、阿部記之監督、桐山光侍氏、鈴木結女

『NINKU-忍空-』は、漫画誌『週刊少年ジャンプ』(集英社)で1993年~1995年まで連載された桐山光侍氏の人気漫画で、忍術と空手を組み合わせた史上最強の武術"忍空"の使い手・風助がさまざまな仲間と出会いながら謎の刺客たちと戦っていく物語。1995年1月~1996年2月にTVアニメ(全55話)がフジテレビ系列で放送され、視聴率は20%を記録。その後、2005年~2011年まで『忍空~SECOND STAGE 干支忍編~』が漫画誌『ウルトラジャンプ』(集英社)で連載され、今なお根強い人気を誇っている。

放送20周年を記念してHDリマスターでBlu-ray BOX化が決定しており、6月26日にBOX1、8月26日にBOX2が発売。この日のイベントには、風助役の松本梨香、藍朓役の真殿光昭、橙次役の小杉十郎、原作者の桐山光侍氏、阿部記之監督、主題歌を担当した鈴木結女が登場した。

トークショーの前には、BOX2の映像特典として収録される「ジャンプスーパーアニメツアー'95」で上映された幻の映像『NINKU-忍空- ナイフの墓標』が上映。その後登場したキャスト陣は、松本がオレンジを基調とした衣装、真殿はシャツの下に黒のタンクトップ、小杉はふんどしをイメージした白いズボンと、いずれもキャラクターを意識した服装で登場した。真殿はオーディションの際も「藍朓をやりたい思いから、黒のタンクトップにジーパン姿で臨んだ」というエピソードを明かした。

当時は無我夢中でやっていたという松本。風助の演技は「(そのままの)梨香で行こう」と言われ、素のままで演技に臨んだという。真殿からは、一生懸命にやりすぎて収録で頻繁に鼻血を出していたというエピソードが飛び出し、現場はそのぐらいの熱量だったと3人とも20年前を懐かしんでいた。

Blu-ray BOXの特典である新作ドラマCDで20年ぶりにキャラクターを演じたことについては、演者一同「抵抗は全くなかった」と口を揃えた。小杉は事務所から「小杉さん……大丈夫ですか?」と心配されたが「そんなの余裕のよっちゃんだよ」と一笑。里穂子役の林原めぐみや黄純役の松本保典らが集まった瞬間に20年前に戻ったと収録の様子を語った。

そして、鈴木、桐山氏、阿部監督を加えてさらにトークを展開。20年前はこのメンバーが集まるようなイベントがなく、松本は「今日はミラクル!」と興奮しきり。阿部監督によると、当時と今とでは原作者のアニメ制作への関わりが異なり、桐山氏からは「原作のイメージを活かしていただきたい」というオーダーのみがあったという。南フランスをイメージした『NINKU-忍空-』独特の色調を活かし、阿部監督は「戦う時は暗い方が絵になるんですけど、この作品は明るい中で技を使っている」と振り返った。

『NINKU-忍空-』キービジュアル

当時は連載が辛い時期だったという桐山氏は、アニメの試写を見た時にいろんな思いがこみ上げてきたという。最初は自分の声で話していた風助も、アニメ化されたことで「徐々に松本さんの声になり、リアルになっていった」と感慨深げ。主題歌を担当した鈴木は「漫画を全部読んで入魂で作った」と話し、『NINKU-忍空-』のハートフルで"本当の敵は自分の中にある"というテーマに心を打たれたいう。ちなみに、オープニングテーマ「輝きは君の中に」は、鈴木のニュー・シングル「Birth」に2015年バージョンを収録、松本も昨年リリースした「まんまる~ありがとう」でカバーしている。

最後のあいさつでは、桐山氏が「原作で干支忍が12忍出たので、また新たな『NINKU-忍空-』があったらいいなと思います」と期待を寄せると、真殿も「20年経って演じてみて、まだまだやれると思った」と意気込み充分。松本は辛かった時期に駅のホームで見た作品のポスターに力をもらったそうで、「『NINKU-忍空-』がみんなの支えになるように、一生残ってくれればいいなと思います。本当にこの日を迎えられたことがうれしくて、心から感謝を伝えたいです」と涙ぐみながら語っていた。

トークショーに続いては鈴木のミニライブ。エンディングテーマ「空の名前」「それでも明日はやってくる」を熱唱し、オープニングテーマ「輝きは君の中に」では2コーラス目に松本を呼び込む。鈴木と松本が会うのは意外にもこの日が2回目で、デュエットは初とのことで20年の時を経た夢のコラボとなった。

(C)桐山光侍/集英社・ぴえろ