――それを踏まえると、次の『響鬼』でまさかご自身が出演されるとは思わなかったのでは?

そうなりますね(笑)。『響鬼』もリアルタイムで観ていましたから。実際に毎週観ている最中にオーディションがあったんです。細川さんが演じる響鬼の一番弟子・安達明日夢役のオーディションに落ちた後、桐矢京介役で受かるという流れです。そして『カブト』を挟んで『電王』のゼロノスですから、もう驚きの連続ですよ(笑)。

――そうして『電王』に繋がるわけですね。では、デネブのお話もぜひ聞かせてください。ラストのシーンは、特にファンが望んでいたシーンだと思いますが、『電王トリロジー』から約5年ぶりとなるデネブとの共演はいかがでしたか。

当時からデネブとのシーンは、演じていて素直に楽しめるんです。デネブは本当に永遠の相方ですね(笑)。今回の撮影現場で久々にデネブと対面した時、懐かしさや喜びとも違う、"うれしい"という気持ちがあったんです。ゼロノスもそうですが、視覚に入ってくる、"見ることができる"ということ自体が純粋にうれしい。自分の変身体とその相方というのは、僕にとって特別なことなんです。

デネブにヘッドロックをキメるシーンでは、柴崎監督から「動きが甘い!」「遠慮してる!」と言われまして(笑)。あのシーンの撮影は、雨による撮影中断も挟んで日も暮れかかっていて、かなり慌ただしく撮影していました。

――ゼロノスの名乗り「最初に言っておく。俺はかーなーり強い!」にもしびれました。

アフレコ自体久々だったんで、撮影前には家で練習しました(笑)。『電王』のDVDも観直して、声の出し方を研究したり。実際に発声してみて「今のはちょっと違うな、声張りすぎだ……」とか、誰もいない自分の部屋でこっそりと(笑)。

――(笑)。改めて『電王』をご覧になって気がついたことはありましたか?

とにかく若いな俺! って(笑)。

――そんなに変わりますか? 今こうやってお話させていただいて、僕は全然変わらない桜井侑斗だ! って思っているんですけど……。予告編から、これ侑斗だ! めちゃくちゃ侑斗だ! って。

いやいや、変わる変わる! 変わりますよ。僕の妹に4歳になる子供がいますが、『電王』のDVDを一緒に観ていて「これおじさんだよ!」って言っても「いやこれおじさんじゃない! 違う人だよ!」と返されるんです(笑)。それもあって今回の『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』への出演は本当にうれしくて。妹の子供にも「おじさんでてるよ!」と自慢できますし(笑)。

――子供には違いがわかるんですね(笑)。『電王』と比べて、最近のライダーは中村さんにどう映っていますか?

仮面ライダーという作品は、物語の構成だったり、脚本だったり、正義のあり方だったり――いろいろな見方ができると思うんですが、僕の場合は、これからどんなフォームが出てくるんだろう? 必殺技は? 変身ポーズは? 名乗りは? みたいな純粋な男の子視点に寄っているかも。物語の熱さやかっこよさみたいな、子供と同じ楽しみ方なんです。

最近の作品で印象深いのは『鎧武』ですね。あれだけのライダーが出てきたのは龍騎以来ですし、ライダーのフォームチェンジも多い。ああ、これだけいると撮影も大変だったろうな……なんて視点も少し入ってしまいますが(笑)。