日本酒応援団は、酒造り体験へ100人単位の参加者をインターネットで募り、創業150年の島根の酒蔵で日本酒を作り、ネットで販売・PRして業界を応援するプロジェクトを起動した。同プロジェクトは「世界初?! 500人で田植えから、新しい日本酒5,000本を老舗酒蔵で造る!」の名で、現在、サイバーエージェントが運営するクラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」において出資者を募っている。

日本酒応援団は、日本酒の良さ、素晴らしさを再発見するべく活動を開始した団体で、運営は全員がボランティアで行っている。発起人の2人は海外経験豊富なITベンチャー経営者で、スタッフの本職はエンジニアやデザイナーなどであるとのことだ。日本酒という伝統産業をITやSNSの活用で支援し、年々販売量が減少する日本酒という伝統文化を応援したい強い気持ちで活動に取り組んでいるという。

2015年1~2月に実施した酒造り体験には、外国籍の方を含む延べ120人が参加。今回は500人の参加を目標としている。参加者の多くは20、30代とのことで、指導には70、80代のベテラン蔵人があたる。製造するのは日本酒出荷量の3%以下しかない「純米酒」、その中でも希少性が高い「無ろ過生原酒」だ。今回のプロジェクトは、竹下登元首相の生家である、島根県の「竹下本店」という酒蔵で進められるが、前工程の酒米の田植えからスタートし、最終的に5,000本の日本酒を造るという目標を掲げている。

2015年1~2月実施された酒造り体験プロジェクトの様子

同プロジェクトは、現在、サイバーエージェントが運営するクラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」において出資者を募っている。調達した資金は、約2トン必要になる酒米のイネ、米作りに必要な各種機材、酒造りに必要な原材料と5,000本の瓶・ラベルなどの仕入れ費用、米・酒造りから参加者の食事・宿泊まで支援してくれる地元の人々の人件費などに利用するとしている。また、同団体は、田植え、酒造りから販売・PRまで、100人単位で全工程に参加できるのは恐らく世界初であろうと伝えている。なお、目標金額は1,000,000円で、4月8日現在、730,500円が集まっている(期間は4月25日まで)。