チェッカーズとの食事会は幻に

斉藤は1988年の『あそびにおいでョ』で主演を務めた"月9女優"でもある。そのことを本人に伝えると「知らなかった!」と爆笑されてしまったが、この年は陣内孝則主演の『君の瞳をタイホする!』、田原俊彦の『教師びんびん物語』、三上博史の『君が嘘をついた』という人気作ぞろいで、月9時代の幕開けとも言われる黄金期だ。斉藤に当時のエピソードを尋ねてみると……。

「相手役の高杢(禎彦)さんが、『由貴ちゃんはお友だちや共演者とご飯とか行くことあるの? よかったら今度みんなで食べに行こうよ』と気軽に誘ってくれました。私は自分から声をかける勇気がないタイプなので、『何ていい人なんだ』と感動したのを今でも覚えています。でも連ドラで忙しい上に、他にもやることが山ほどあったし、高杢さんもチェッカーズが全盛期だったので行けなかったんですよ。実現していたらどうだったんでしょうね(笑)」

高杢やチェッカーズとの食事は実現しなかったが、それ以外では交流もあった。同世代のアイドルでは、秋元康夫人としても知られる元おニャン子クラブの高井麻巳子。1986年の映画『恋する女たち』で共演して意気投合し、ニューヨーク旅行もした仲だったという。

また、先月16日、『ごきげんよう』で南野陽子と共演した際に、斉藤が南野の家に遊びに行っていたことが明かされた。ただ、ほとんど会話が弾まず、一度きりで終わってしまったのがいかにもこの2人らしく微笑ましい。さらに意外な交友録も明かしてくれた。

「一番最近、プライベートで業界の人に会ったのは、ウチから徒歩3分のところに元TBSの渡辺真理さんが住んでいて、実は猫をもらったこともある友人なんですよ。彼女と作家の柳美里さんが私の芝居を観に来てくれて、一緒にご飯を食べました。アナウンサーと作家と女優の3人で(笑)」

俳優同士での交流はないのだろうか? 斉藤は「同じ業種で仲がいい人がいないんですよ」と話していたが、昨年の舞台『紫式部ダイアリー』で共演した21歳年下の長澤まさみとは何度も食事に行っていたらしい。同作は斉藤が清少納言、長澤が紫式部を演じる2人舞台だった。

「まさみちゃんはとてもいい子でオープンな人で、公演が終わると『コンコン』って私の楽屋に来て、時にはノックもなしに入ってきてくれるんですよ。面白かったのは、何を言うわけでもなく、私の隣で化粧を落としはじめたとき。ただ入ってきて、『はあ~』と言いながらコットンで化粧を落としていて、『彼女は何をしに私の楽屋へ来たのか……』って思ってたら、まさみちゃんが『今日何か食べに行きます?』と言うので『行こっか』と返事すると、『何食べたいですか?』『まさみちゃんに任せる』『じゃあやっぱり肉行きます? 肉』『わかった。また肉ね』『じゃあ店探しておきます~』みたいな感じでした。だから昨年の秋はひたすら2人で肉屋めぐりしていましたね。私、3キロくらい太っちゃって、『まさみちゃんは太らなかった?』って聞いたら『だって私、白いもの食べないもん。ご飯とかパンとか食べないから』って言われました(笑)」

斉藤はインタビュー前編で「孤独感がある」と言っていたが、何とも楽しそうな焼き肉女子会をしていたようだ。長澤は会見などで「由貴さんから母性を感じる」とコメントしていたことからも、斉藤を慕っているのがよく分かる。