魔女役のメイル・ストリープ(中央左)、オオカミ役のジョニー・デップ(右)ら

――本作で、ロブ・マーシャル監督から受けた演出で印象に残っていることはありますか?

監督は、9.11が起きてオバマ大統領が遺族に「あなたたちは1人ではない」「だれも1人ではない」という言葉を言った時にこの映画は作られるべきだと感じたそうですが、あの言葉は、今のメッセージだと思います。私が魔女の役をやろうと思ったのも、そういう理由で、みなさんにそのメッセージを伝えたいと思ったの。今やる価値を見いだしたのよ。

監督としては、彼はとても謙虚。普通はエゴが大きいけど(偉そうな人の動きをマネしながら)、そういうことはやらない。彼は優しくて、キャストが彼に集まってきて、誠意を持って演出をする。知的な人だし、彼は非常に珍しい人なんです。そして、準備もバッチリやってくる。まったく準備をしない人もいるのよ。今回は、1カ月リハーサルをやったわ。初日からカメラをどこに置いて、どういうアングルで撮ってとか。

――キャストも豪華ですよね!

素晴らしい出演陣よ。才能を持つ本物の役者たちの集まりね。自分が何をやっているのかしっかりと把握している人々をロブ・マーシャルは集めているわ。だけど、その誰もが、こういうタイプの強調されたリアリティ、ファンタジー、おとぎ話を演じる機会を得たことがない人たちばかり。とても珍しい機会だもの。出演者たちはそれをかみしめていたわ。

パン屋の妻を演じたエミリー・ブラントと再び共演できたのはとてもうれしかった。彼女はものすごい才能の持ち主で、この役柄にピッタリな独特の温かさやユーモア・センスを持っています。しかもゴージャスな歌声もね。パン屋を演じたジームズ・コーデンは、ブロードウェイでやった『One Man, Two Guvnors』で、毎晩、進行中の物語の中から飛び出して観客に即興で話しかけることで伝説的な存在になっている。

そして、アナ・ケンドリックは、『Pitch Perfect』が私のお気に入り映画のひとつだから、彼女との共演を心から楽しんだわ。彼女は素晴らしい仕事をして、王子様と本当に添い遂げたいのかどうか決めかねているシンデレラを演じているけれど、それは彼女の知性と自然な優雅さと寡黙さのなせる業ね。クリスティーン・バランスキーとは『マンマ・ミーア!』でも共演しているけれど、私の大好きな友人の1人よ。彼女はあの邪悪な継母とはまったく正反対な存在だけれど、とても楽しんでいました。

それから、ジャックの母を演じたトレイシー・ウルマンは、私のとても古い友人の1人で、彼女がまだ21歳だった『プレンティ』以来の付き合いだから、またこうして一緒に仕事をするのが夢だったの。とにかく彼女のことが大好きよ。

シンデレラ役のアナ・ケンドリック

左からパン屋の主人役のジェームズ・コーデン、パン屋の妻役のエミリー・ブラント、ジャック役のダニエル・ハットルストーン

オオカミ役のジョニー・デップ(左)と赤ずきん役のリラ・クロフォード(右)

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