Q.2011年の東日本大震災が起こったとき、仕事をしていましたか?

2011年の東日本大震災から早4年。大地震が起こったのは15時前で、勤務中だった人も多いはずだが、その時、オフィスはどのような様子でどのような対処がなされていたのだろうか。今回はマイナビニュース会員のうち男女300名に、東日本大震災発生時の仕事の様子を教えてもらった。

Q.2011年の東日本大震災が起こったとき、仕事をしていましたか?

はい 66.3%
いいえ 33.7%

Q.(「はい」と答えた方にお聞きします)どのような行動をとりましたか?

■その場で安全確保
・「部長指示でデスクの下に避難した」(30歳女性/機械・精密機器/事務系専門職)
・「机にしがみつきました」(30歳女性/金属・鉄鋼・化学/秘書・アシスタント職)
・「揺れが収まるのをじっと待った」(38歳男性/情報・IT/技術職)
・「落ち着くまでヘルメット着用してた」(28歳女性/金融・証券/事務系専門職)
・「高層階にいたため大きく揺れて窓から急いで離れた」(38歳男性/通信/技術職)
・「棚の側から離れた」(38歳女性/運輸・倉庫/技術職)

■情報収集
・「ラジオとテレビをつけて情報収集」(31歳男性/運輸・倉庫/技術職)
・「インターネットでニュースを見た……揺れが長かったことから普通ではないと思い、その後の経過をニュースで注意し続けた」(49歳男性/情報・IT/技術職)
・「何もしていない、すぐケータイのワンセグをみた」(28歳男性/自動車関連/事務系専門職)
・「ヤフーで検索を繰り返した」(63歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)
・「会議中だったが,スマホを見ていた参加者が東北地方で大きな地震があったらしいという第一報を見ながら,これは大災害かも知れないということで,会議を中断してネットで情報収集をした」(57歳男性/学校・教育関連/事務系専門職)

■広い屋外に避難
・「会社からの指示で、建物が危険かもしれないということで、屋外に出て、ワンセグでニュースを見ていました」(54歳男性/電機/技術職)
・「最初ちょっと揺れてる位だったので『外にむやみに出ない方が良いよ』と上司に言われましたが、酷かったので隣接する公園に逃げました」(31歳女性/不動産/専門職)
・「余震が続いたので10階から1階に避難した」(34歳女性/不動産/事務系専門職)
・「ビルの外に出た」(46歳男性/商社・卸/販売職・サービス系)
・「地下道を歩いていたので、地上に出た」(41歳女性/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)

■安全確保の仕事を全う
・「金融機関の窓口にいたため、まずお客様の安全確保をした」(27歳女性/医療・福祉/専門職)
・「避難誘導」(27歳女性/学校・教育関連/クリエイティブ職)
・「ファーストフードのバイトだったので、お客さんに外に出るようにと指示してから外に出て非難した」(26歳女性/ソフトウェア/事務系専門職)
・「まずは身の安全を確保し、その後関係各所の情報確認に対応した……その後はお客様対応のため現場に翌日まで出ていた」(29歳女性/運輸・倉庫/事務系専門職)

■業務や職場の安全確保
・「仕事内容を保存してデスクの下に隠れた」(26歳男性/農林・水産/技術職)
・「使っていた機器の電源を落とし、上司の指示で避難所に逃げた」(43歳男性/機械・精密機器/技術職)
・「机の上のPCモニターがどんどん倒れ始めたので、壊れないようにモニターを地面に伏せて置くように移動させ、建物がゆがんで脱出できなくならないように事務所のドアを開けた……固定されていないキャビネットが倒れ始めたので、上司の指示で外に避難を開始した」(33歳女性/運輸・倉庫/事務系専門職)
・「書類が飛散しそうな書庫の扉をしめて机の下にかくれた」(32歳女性/その他/事務系専門職)
・「PCのマシンが落ちないように支えていました」(27歳女性/学校・教育関連/その他)
・「余震の時に什器を手で押さえた」(41歳男性/小売店/販売職・サービス系)

■出先での対応は?
・「外にいたのでとりあえず連絡した」(35歳女性/医療・福祉/専門職)
・「駅に向かって歩いていたが、広場で待機して電話が通じないので社に引き返した」(30歳女性/商社・卸/事務系専門職)
・「お客様の家に出向いていた時だったので、すぐ帰社するようにした」(27歳女性/金融・証券/事務系専門職)
・「出張中だったので勤務先へ戻った」(32歳男性/自動車関連/事務系専門職)

■帰宅に関してのいろいろ
・「帰宅命令が出てすぐに帰った」(33歳女性/団体・公益法人・官公庁/秘書・アシスタント職)
・「会社でしばらく待機し、車通勤の人にいえまで送ってもらった」(31歳女性/情報・IT/秘書・アシスタント職)
・「仕事を手早く片付けて、バス停に向かった」(53歳男性/情報・IT/技術職)
・「大宮から練馬の自宅までひたすら歩いて帰った」(32歳女性/金融・証券/営業職)
・「オフィスに一泊して、自宅までの電車が動きだすまで待ってから帰宅した」(30歳女性/金融・証券/秘書・アシスタント職)

■総評
東日本大震災発生時、仕事をしていたという人は66.3%で、ほぼ3人に2人は、あの地震の瞬間に仕事をしていたことが分かった。

どのような行動をとったかという質問に多かったのは「その場で安全確保」次いで「情報収集」だった。揺れを感じた直後は、デスクの下に身を隠したという人がほとんどのようだ。オフィスでは「棚から離れた」、ビルの高層階にいた人からは「窓から離れた」という意見もあった。停電が起こらなかった地域では、その後、テレビやネット、ラジオ、ワンセグなどでニュースをチェックし、急いで震源地を確認・状況把握されていた。会社や上司からの指示で「屋外に出る」という選択をしたところでは、ビルから出て、広い公園や球場などに避難したケースが多かった。

接客業務中だった人は、顧客の安全確保のため声がけをし、避難経路へと誘導するという対策をとっていた。支店や顧客先などの安否確認で、翌日まで仕事に追われた人もいたようだ。オフィスでパソコンを使っていた人は、停電でデータが壊れないよう、まず「保存」を徹底していた。また、機器の電源を切り、揺れがかなり大きかった地域のオフィスでは、倒れやすいモニターを床に倒して置くといった措置もとられていた。少し余裕がある人は、テレビモニターやPCモニター、棚など、倒れそうなものを押さえるという行動をとったようだ。

出先で被災した際には、「社へ連絡」が基本だ。電話が通じなかった人、出張中の人も「とりあえず帰社」とい う判断をしていた。会社側としても社員の安否確認を行う責務があり、家族からの問い合わせも考えられることから、まずは会社への連絡は必須だろう。

会社によっては、帰宅命令を出したところもあった。混乱が予想されることから、自主的に仕事を切り上げ、早めに帰宅する人もあったようだ。電車が止まって帰れなくなり、延々歩いて帰ったという人も、オフィスに1泊したという人もいた。無理にでも自宅に帰ろうとすると二次災害の危険性もあるので、やはりしっかり情報収集をして帰宅経路を確認し、焦らず判断したいところだ。

とっさの時に正しく迅速に動けるよう、大事なのはとにかく「予測」と「シミュレーション」だ。3.11を思い出すこの機会に、被災する場合を想定し、オフィスでも安全確保のためのシミュレーションを再度してみてほしい。

調査時期: 2015年1月30日~2015年2月1日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男性137名 女性163名 合計300名
調査方法: インターネットログイン式アンケート