政府は14日、2015年度予算案を閣議決定した。それによると、一般会計の歳出総額は2014年度当初予算比4,596億円増の96兆3,420億円となり、2年連続で過去最大を更新した。

平成27年度予算フレーム(出典:財務省Webサイト)

税収は54兆5,250億円で、前年度(当初予算、以下同)の50兆10億円から4兆5,240億円増加し、1991年度(決算)以来24年ぶりの水準となる見通し。新規の国債発行額は36兆8,630億円と、同4兆3,870億円の大幅減。歳入に占める借金の割合を示す公債依存度は同4.7ポイント低下の38.3%となり、2009年度以来6年ぶりに40%を下回った。

公債発行額、公債依存度(当初予算ベース)の推移(出典:財務省Webサイト)

政策経費(基礎的財政収支対象経費)は72兆8,912億円で、前年度より2,791億円増加し過去最大を更新。基礎的財政収支の赤字幅は約13兆4,000億円で、同約8,000億円の減少。政府は対国内総生産(GDP)比の赤字を2010年度の半分にする目標を掲げているが、これについては達成できる見込みとなった。

経費の内訳を見ると、社会保障関係費は前年度比3.3%増の31兆5,297億円と、過去最大を記録。子育て支援制度を拡充する一方、介護報酬の引き下げや生活保護の適正化を実施する。

地方交付税交付金等は前年度比3.8%減の15兆5,357億円と、5年連続の減額。地方創生の取組にかかる経費として地方財政計画に1兆円を計上した一方、リーマン・ショック後の危機対応である地方交付税の別枠加算を減額した。

公共事業関連費は前年度比26億円増の5兆9,711億円。事前防災・減災対策を充実するとともにインフラの修繕・更新などの老朽化対策を計画的に推進するとしている。文教および科学振興費は同1.3%減の5兆3,613億円、うち科学技術振興費は同3.9%減の1兆2,857億円となった。

防衛関係費は同2.0%増の4兆9,801億円と、3年連続の増加。内訳は、中期防対象経費が同383億円増、SACO・米軍再編関係経費等が同570億円増などとなった。経済協力費は同0.7%減の5,064億円で、うちODA費は同1.5%減の5,422億円となったが、補正予算や円借款、国際機関への拠出国債を含む政府全体のODA事業量は前年度より増額した。

このほか、中小企業対策費は前年度比0.2%増の1,856億円、エネルギー対策費は同6.8%減の8,985億円、食料安定供給関係費は同0.9%減の1兆417億円などとなった。