名古屋グルメの中でも欠かせない存在の"あんこ"。そんなあんこを使った「しるこサンド」は、北海道産あずきとリンゴジャム、蜂蜜などを練ったあんをビスケット生地で挟んで焼き上げたお菓子だ。今日では、抹茶×スポンジケーキ、きなこ×チョコレートなど和洋折衷のお菓子は数あれど、しるこサンドのように50年近い歴史を持つスナックは稀だろう。
ビスケットとあんこをくっつけるのに試行錯誤
作っているのは、愛知県に本社を構える松永製菓。昭和13年(1938)創業の老舗だ。同社でしるこサンドが誕生したのは昭和41年(1966)のこと。ビスケットの新商品開発にあたって、「洋のお菓子であるビスケットに和の要素を加えてはどうだろう?」というアイデアがきっかけとなり、商品化に至ったという。
「地元名古屋の食文化に大きく関わった"あんこ"を使用したビスケットの開発を目指しました。当時から、ビスケットにクリームを挟んだ"ビスケットサンド"は存在していたのですが、他に類を見ない商品を生み出すべく、ビスケットとあんこを焼成する前にサンドする製法を研究したそうです」と松永製菓の藤田大輔さん。
しかし、焼成後にビスケットがあんこから剥がれやすいなどの問題が起こり、成形用の金型を工夫するなど試行錯誤を繰り返す。半年~1年もの時間を費やして、ようやく形にできたという。
そして商品名を考える段になると、使用したあんこが"こしあん"であることから、「おしるこサンド」も候補にあがったというが、最終的に語呂のよさから「しるこサンド」と命名された。以来、48年もの長きにわたって愛され続けている同商品。あんこ文化が根付いた地元のお客はもちろん、名古屋土産として購入していく観光客にも大人気だ。
しるこサンドが天ぷらや厚焼き玉子に!?
今回、そんなしるこサンドをよりおいしく楽しむためのポイントもうかがってみた。
「あんこのやさしい甘さとビスケットの程よい塩加減の相性がいいので、飽きがこないのがポイントです。それから、しるこサンドを3枚食べれば、しるこの風味を感じることができるんですよ」(藤田さん)。
また、通ならではの食べ方として、「しるこサンド天ぷら」「ウエハース感覚でアイスクリームと一緒に」なんてのもおすすめだとか。さらに、「チーズをトッピングしていただいてもおいしいですし、しるこサンドを包んだ厚焼き玉子"しるこサンド巻き"なんてのもイケますよ」と応用の幅広さが並ではない。
同社サイト内のコンテンツ「しるこサンドの食べ方いろいろ」では、twitterでオリジナルのしるこサンドの食べ方を募集しているので、おもしろいアイデアがあるという人は投稿してみては?
思い付いたレシピでの調理を思う存分楽しみたいなら、直売店で販売されているお値打ち品を大量に買い込むのも◎! 製造工程で発生した、ビスケットが割れたり欠けたりして形が崩れた不良品を訳あり品として販売しているので、リーゾナブルに入手することができるのだ。
また松永製菓では、4種のクリームサンドビスケットとフィンガーチョコビスケットのアソート品「カクテルサンド」などバラエティー豊かな商品も取りそろえているので、気になる人はオンラインショップをご参照あれ。