ライオンはこのほど、「生理と頭痛に関する意識調査」の結果を発表した。同調査は9月25日~29日、20~40代の女性3,000人を対象にインターネットにて実施したもの。

「1年を通じて感じる不調」

「1年を通じて感じる不調」を聞いたところ、1位「肩や首がこる」(50%)、2位「手足が冷える」(35%)、3位「頭痛」(32%)だった。

「生理前後に頭痛を感じたことがあるか」(「1年を通じて頭痛を感じる」と回答した人対象)

「頭痛の原因」(「生理の前後に頭痛を感じたことがある」と回答した人対象)

「1年を通じて頭痛を感じる」と答えた人のうち無作為に抽出した360人に、「生理前後に頭痛を感じたことがあるか」を聞いたところ、約8割の人が「ある」ということがわかった。その原因を聞いたところ、6割以上の人が「ストレス」「疲れ」と回答。次に「運動不足」「睡眠不足」「体質的なもの」が4割弱で同数となった。なお、「生理周期」と挙げた人は約3割だった。

「頭痛の対処として行っていること」(「生理の前後に頭痛を感じることがある」と回答した人対象)

「生理の前後に頭痛を感じたことがある」女性を対象に、頭痛の対処法を聞いたところ、1位「市販の薬(解熱鎮痛薬)を使う」(56%)、2位「睡眠時間・休息を増やす」(37%)、3位「身体を温める」(18%)という結果となった。

「解熱鎮痛剤を使うタイミング」(「1年を通じて頭痛を感じる」と回答し解熱鎮痛薬使用している人対象)

「解熱鎮痛剤を使う頻度」(「1年を通じて頭痛を感じる」と回答し解熱鎮痛薬使用している人対象)

「市販の薬(解熱鎮痛薬)を使う」と回答した人にそのタイミングを聞いたところ、1位「痛みを感じ始めたとき」(47%)、2位「我慢できないくらい痛くなってから」(29%)、3位「我慢できるくらいの痛みのとき」(16%)となった。また、解熱鎮痛薬を服用する頻度は、約9割が1週間のうち1日程度かそれ以下という結果に。一方で、少数ながら頻繁に服用している人も見られた。

ライオンのヘルスケアマイスター・山岸理恵子氏は、「生理周期で起きる頭痛は、そのメカニズムを理解し、正しい予防法・対処法を知ることで、軽減させることが可能です」とコメントし、以下のように解説している。

「生理周期と頭痛の関係」

生理時に起こる頭痛には、女性ホルモンの一種・エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が影響するという。女性は生理周期によってエストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が大きく増減するとのこと。エストロゲンの分泌は排卵前にピークになり、排卵後に急速に減少するが、そのあと再び増加し、生理前に減少する。

このエストロゲンの急減にともない、脳内の血管が拡張して周りの神経を刺激し、頭痛が起きると言われているという。また、生理周期による頭痛の特徴として、拍動にあわせてズキズキと痛んだり、体を動かすときにより痛んだりするほか、頭痛の前に吐き気を催したり、目がチカチカしたりすることもあるよう。

予防法としては、まずは寝不足や寝すぎに注意することがあげられる。ストレスや疲れが頭痛の原因となることもあるため、日頃からしっかり睡眠を取り、疲れをためないようにすることが大切だという。ただし、休日などに寝すぎると、緊張が緩んで頭の血管が広がり、逆に頭痛を起こしやすくするため、休日でもいつもと同じペースで過ごすことがポイントのよう。

次に、外出時は人混みや強い光を避けることだという。空腹、騒音、汚れた空気、匂い、乾燥など外出先のさまざまな要因によって、神経が刺激され頭痛が起こることも。また、強い光も頭痛の原因となるため、外出時はサングラスをかけるなどの対策も必要とのこと。

そして、熱いお風呂やサウナを避けることもあげられる。体が温まりすぎると血管が拡張するため、頭痛が起こりやすくなるそう。頭痛が起こりそうだと感じた場合は、熱いお風呂やサウナは避けて、シャワーを浴びる程度ですませた方が良いという。

頭痛が起きたときの対処法について、「鎮痛薬を服用するのも一つの方法です。鎮痛薬は痛みの原因となる物質の産生と放出を抑え、頭痛をやわらげます。また拡張した血管によって生じた周辺組織の炎症をおさえる作用もあります。『鎮痛薬は体に良くないのでは?』と服用をためらう人もいますが、自分にあった薬を用法・用量を守って服用すれば心配はいりません」と山岸氏。

なお鎮痛薬を服用する際は、痛みを感じたら早めに服用し、添付文書をよく読んで正しく服用すること、そして頻繁に服用しないと頭痛が治まらない場合は医師に相談することが大切だという。