帝国データバンクは6日、2014年10月の景気動向調査の結果を発表した。それによると、10月の景気動向指数(以下、景気DI)は前月比0.1ポイント低下の44.1となり、安倍内閣発足以降で初めて3カ月連続で悪化した。

10月は、人手不足やコスト上昇により公共事業が景気の下支え役を果たせなかったほか、2週連続の台風上陸も悪影響を及ぼした。また、中小企業を中心に景況感の悪化が拡大しており、全国的に低迷した。

全国の景気DI。調査期間2014年10月20日~31日、有効回答数1万755社(出典:帝国データバンクWebサイト)

業界別に見ると、全10業界中「建設」「製造」「小売」「サービス」など8業界が悪化。このうち「小売」は消費増税の影響が続いており、特に「家具類小売」はピークだった2014年3月から7カ月間で40.9ポイント減と急落した。

地域別では、全10地域中9地域が悪化し、中でも「北海道」は前月比2.5ポイント減、「北関東」は同2.7ポイント減と大幅に下落した。消費増税の影響が長期化し、生活防衛意識が高まっているほか、地域の基幹産業の低迷など全国的に景気悪化が見られた。

今後の見通しについては、日銀の追加金融緩和は、大企業や輸出企業に好材料となるものの、中小企業や輸入企業にとっては収益を圧迫し、企業業績を悪化させる一因となるほか、消費マインドの悪化や実質賃金低下などにより家計支出がさらに引き締まる可能性があると指摘。その上で「国内景気は、上昇基調で推移するとみられるものの、一転して下降に転じるリスクもはらんでいる」と予想している。