ヒラセ:そうですね。商品発表から案内まで2~3週間と非常に短かったんですよ。今までは事前に情報を出して、次に原型を出して、それから彩色見本を見せて案内へ……とプロモーション期間をある程度長く見ていたのですが、今回に関してはそこが短かったことで、ユーザーの熱や期待値が高いまま突っ走っていけたのがよかったのかなと思います。

カホタン:例えば「初音ミク」のような男女共に人気のキャラクターはリツイート数も伸びるんです。だけど今回は、女の子のリツイートが男性を凌いでいて、数日経ってもリツイートされ続けています。話題がTwitterの中で持続していましたね。

――彩色の写真を見てファンの期待値も高まっていると思います。制作のこだわりなどを教えていただけますか。

ヒラセ:まずはポージングですね。ユーザーさんが欲しいポージングを再現する必要があるので、原作からシーンを抜粋するところからスタートしました。特に頭を悩ませたのは表情のチョイスです。この顔もかわいいし、この顔もかっこいいし……と迷いに迷いました(笑)。その中から「ねんどろいど」の値段感に抑えるため、パーツ数のことを考えて精査していきました。

「カホタンブログ」より

――個人的には日向がガッツポーズしている「オオッシ!!!」の顔が大好きです。

ヒラセ:そうなんです! これいいですよね!

カホタン:これイチオシです(笑)。

ヒラセ:原作第二巻で、日向と影山が先輩と試合したときにスパイクを決めた日向のガッツポーズですね。この表情が印象に残っていたのと、今後影山を「ねんどろいど」化した時のからみも考えて選定しました。

――ということは、後ほど発売になる影山のポージングや表情は日向と合わせて楽しめるものに……?

カホタン:そこはまだ内緒です(笑)。楽しみにしてください!

ヒラセ:他にもこれまでの「ねんどろいど」と異なる点でいえば、腰のジョイントがいつもと違うことですね。『ハイキュー!!』はバレー漫画なので動きが特徴的ですし、「ねんどろいど」はアクションフィギュアなので、どこまで動かせるかがポイントになります。首や両肩、両足が可動するのは通常通りなんですが、今回は上着とパンツの間にもジョイントが入っていて、前後に可動します。等身は維持しつつも、ユーザーさんがイメージする形に落としこむことができたと思っています。これまでのフォーマットには収まらず、もっとできることはないかと原型師と打ち合わせた結果、実現できました。

――腰が動くとスポーツの動きが再現しやすくなりますね。再現するという点では、ネットパーツやコートの専用台座なども特徴的です。

「カホタンブログ」より

ヒラセ:それらについては、初めはすごく悩んだんです。「ねんどろいど」を買っていただくお客さまは、果たしてアクションポーズが見たいのか、それとも日向のかわいいポーズが見たいのかと。後者ならネットはいらないかもしれないですから。ただ、根本的にはやはりバレー漫画ですから、シチュエーションの再現にはとことんこだわることにしました。スパイクを打つ直前から打ち終わってガッツポーズを決めるまでの一連の流れをわかりやすくするためにもネットはあったほうがいいだろうと。

カホタン:ここは私たち二人で企画したことの良い面が出たかなと思います。もし私が一人で企画したら、ポーズの再現性はそこまで求めなかったかもしれません。アクションの方が躍動感が出るというのは、男性ならではの発想かなと。

ヒラセ:逆に表情のチョイスでは、カホタンの女性ならではの視点が生きています。かっこいい顔がいっぱいあったほうがいいだろうと思っていたところに、ガッツポーズのようなかわいい表情を入れることで日向らしさが出せたのは良かったですね。うまくコンビネーションがとれたと思います。

――お二人も日向と影山に負けないベストコンビですね。

カホタン:どっちが王様なんでしょうね(笑)。

ヒラセ:やっぱりカホタンが女王様かな。

――そうするとヒラセさんが"最強の囮"ということに……(笑)。

ヒラセ:(笑)