――今回は全編フィルムでの撮影でした。フィルム撮影ならではの特徴は?

中条:音が鳴る。カラカラカラって。

森川:それが録音部さんには、やめて欲しい音みたいで。

中条:だからカメラマンさんは何枚も毛布をかぶって。

――そういう失敗が許されない状況だと、かなり現場がピリピリしていそうですが。

中条:私は自分で精いっぱいで。でも、日によるよね?

森川:うん。ピリピリしている時は結構ピリピリしてて。でも、そうじゃない日もありました。

――中条さんは監督から怒られたとおっしゃっていましたが、森川さんは?

森川:シーンによって、ミチの明るさがすごく違うんですよ。テンションが上がったり下がったり。『ここはもうちょっと明るく。そんなに暗くならなくていいから』みたいなアドバイスはしていただきました。順序がバラバラで撮っているので、全然分からなくなるんですよ。

――どのような役作りをしましたか?

中条:台本に"華奢(きゃしゃ)な体"と書いてあったので、ちょっとだけ体重を落としました。

――おっ、すごいですね。何キロぐらい?

中条:まぁ、2キロぐらい…。

――本当に"ちょっと"ですね。

中条:はい(笑)。運動して落としました。

森川:私は特にありませんでしたけど…髪型を変えると気持ちを切り替えることができて、その役の気持ちになれる気がします。衣装合わせの時に監督と話し合って少しだけ切ったりしました。

――先日、映画『人狼ゲーム』を観たんですが、森川さんはその時と別人ですね。

森川:確かにそうですね(笑)。『零』ではラインを引いたりマスカラしたりしてるんですけど、『人狼ゲーム』は一切していなくて。そのせいだと思います。

――観る作品ごとに印象が違うので、一体どれが本人なんだろうと。

森川:全部、ウソでいいんです(笑)。

――森川さんは以前、「芝居をする楽しさが分からない」とおっしゃっていたそうですが、今はいかがですか。

森川:今は楽しさが分からないというより…すごく忙しい時とすごく暇な時があるので、朝から夕方までバイトして安定した生活を送っていた方が楽しいんじゃないかと想像したりします。そして、バイト先で出会った男性と結婚して、子ども産んで、家庭を作って。その方が、楽しいんじゃないかなって。最近、暇な時間が多くて考えちゃってます(笑)。

中条:あはははっ! なんだろう…そういう奇抜な考え方だからさ(笑)。

森川:普通じゃないの(笑)?

中条:そんな感じだから、逆にその生活は向いてないかもよ。しかも、考えが結構変わるタイプじゃない?

森川:変わる! すごい変わるんですよ。今はそっちの生活をしてみたいなって。

中条:でも、その気持ちはすごく分かる。

――芸能の世界で生きる人でも学業に専念したり、一時は離れる方もいますしね。

森川:そうですね。でも、結局現場に行きたいなって思ってしまいます。きっと現場が好きなんです。だから、やめたくないという気持ちもあります。

中条:私も、決められた時間で生活したらどうなるんだろう…想像しちゃいますね。

――お二方はセブンティーンのモデルになったことで第2の人生がはじまりました。「セブンティーンモデル」という肩書についてはどう思いますか?

森川:セブンティーンは"モデルの森川葵"。映像系は"動いている森川葵"。それぞれ別なので、演技のお仕事のときに"セブンティーンモデルの"と紹介して頂くことが多いですが、別の存在としてやらせていただいているので特に違和感はないです。

中条:私も同じですね。ファンレターをいただいたり、「憧れています」と言われたらうれしいですし。そういう立場にいるからこそ、体重管理とかきちんとしなきゃいけないと思っています。

――今後はどんな人生を歩んで生きたいですか。

森川:模索中です。ただ身長が低いのでモデルを続けていくのは難しいだろうなと思います。

中条:でも、森川さんぐらいの身長のモデルたくさんいるよね。

森川:うん。でも、並んだらチンチクリンですもん(笑)。

中条:私は目標は大きく。モデルとお芝居どちらでもいいので、海外でも活躍できる人になれればいいなと思います。とにかく、いろんなことをやっていきたいです。

<プロフィール>

■中条あやみ
1997年2月4日生まれ。大阪府出身。2011年、女性ファッション雑誌『Seventeen』の専属モデルオーディション「ミスセブンティーン」でグランプリに選ばれ芸能界入り。翌年にはドラマ『黒の女教師』(12年TBS系)で女優デビューを飾った。2013年には、山下智久主演の月9ドラマ『SUMMER NUDE』(13年フジテレビ系)に出演。その他、日本最大級のファッションショー「東京ガールズコレクション」にも出演するなど、モデル、女優として活躍している。本作がスクリーンデビューとなる。

■森川葵
1995年6月17日生まれ。愛知県出身。2010年、女性ファッション雑誌『Seventeen』の専属モデルオーディション「ミスセブンティーン」でグランプリに選ばれ、モデルとして芸能界入り。2012年『LOVE ToRAIN』でスクリーンデビューを果たし、同年のドラマ『スプラウト』(12年 日本テレビ系)ではヒロインを演じた。その他、『スクールガール・コンプレックス-放送部篇-』(13年 主演)、『渇き』(14年)などの映画に出演。公開を控える『チョコリエッタ』(15年 主演)では、役作りのために坊主にしたことが話題になった。

(C)2014「劇場版 零~ゼロ~」製作委員会