日本政策金融公庫(以下、日本公庫)は25日、2014年上半期農業景況調査の結果を発表した。それによると、燃料代などコスト上昇に対し、生産者の4割弱が「対策がない」と答えたことがわかった。

最近特に負担が増えたと感じる生産コストを聞くと、「耕種」では燃料代の83.9%、「畜産」では飼料代の87.0%がトップ。2012年上半期と比べたところ、電気代のコスト負担感については、「きのこ」が64.6%(2012年41.7%)、「養豚」が50.5%(同29.6%)、「採卵鶏」が37.5%(同25.2%)、「ブロイラー」が41.5%(同29.5%)、「施設花き」が33.1%(同21.8%)など、空調管理する業種で大幅に増えていた。

生産コスト増加対策として実施していることを尋ねると、「対策がない」が37.2%で最も多く、以下、「使用料の変更」が29.3%、「安価な物への変更」が18.4%、「調達先の変更」が9.6%と続いた。

生産コスト増加対策として実施していること(出典:日本政策金融公庫Webサイト)

一方、「生産物販売価格への転嫁」は5.4%と最も低く、販売価格への転嫁は難しいことが推測できる。

「対策がない」が最も多かった理由としては、「燃料代、飼料代のいずれも国際商品市況や為替という他律的な要素が大きいため」と分析。また、「対策がない」と回答した業種別の割合を見ると、「ブロイラー」の51.9%、「肉用牛」の45.0%、「茶」の42.2%が特に高くなっていた。

調査時期は2014年7月。調査対象は日本公庫の融資先で、7,690の生産者から有効回答を得た。