クロス・マーケティングは24日、「NISAに関する調査」の結果を発表した。それによると、NISAの認知度は8割超に上ったものの、若者のNISA利用意向は高まっていないことがわかった。

同調査は、2014年8月29日~31日の期間にインターネット上で行われ、20~69歳の個人1,000人から有効回答を得た。

比較的新しい金融商品・取引手法である4商品「NISA」「新規公開株式」「株式ミニ投資」「るいとう」「ファンドラップ」の認知度を調べたところ、「NISA」が80.5%で最も多く、それ以外の4商品はそれぞれ50.0%未満にとどまった。また、商品内容の理解を伴う認知率が50%を上回ったのも「NISA」のみとなった。

各商品・取引手法認知度(出典:クロス・マーケティングWebサイト)

NISA口座の開設意向がある人は、年代・年収など属性に関わらず30.0%程度。だが、実際に開設しているかどうかは属性によって差があり、60代では58.1%に上った一方、20代では7.4%にとどまった。

NISA口座を開設しない理由を年代別に見ると、20代では「資金がないため」のほか、「NISAの制度がよく分からないため」「どのように始めればいいかわからないため」などの割合が多く、制度内容不明による『NISAを始めることのメリットが理解できていない』若者が多いことが明らかになった。

NISA口座非開設理由(出典:クロス・マーケティングWebサイト)

NISAのイメージについて聞くと、全体では「非課税」「少額から投資可能」「気軽・手軽」といった回答が上位に入ったのに対し、20代では他の世代と比べて「名前のみ知っているが内容はわからない」との回答が多かった。

今回の調査結果は、「若い年代に利用してもらいたい」という業界の期待通りとはなっていない。同社は、20代のNISA利用意向が高まらない理由について、「特に若い世代では金銭的な課題が離脱ポイントとなっている」と指摘した上で、阻害要因として「利用メリットの訴求不足」が考えられると分析している。