インテックス大阪で3日間に渡って開催された吉本新喜劇座長・小籔千豊が主催する音楽とお笑いのフェス「コヤブソニック2014ファイナル」が15日、最終日を迎え、7年の歴史に幕を閉じた。

「コヤブソニック2014ファイナル」でビッグポルノ最後のステージを熱演する小籔千豊(中央)ら

同フェスは2008年、小籔とレイザーラモンからなる下ネタラップユニット・ビッグポルノを世に知らしめるためにと音楽フェスへの出演を熱望するも、その夢が叶わなかった小籔が「サマソニに出られへんのやったら"コヤソニ"やったる!」と大阪城野外音楽堂で第1回を開催。当初はおよそ3,000人ほどの動員数だったが、小籔が「Jラップ界のいとこい師匠」と敬愛するヒップホップグループ・スチャダラパーら人気アーティストをはじめ、小泉今日子、小林幸子など大物歌手も出演し、回を重ねるごとに規模を拡大。そして7回目となった今年、ビッグポルノが解散を発表し、「続ける理由がなくなった」とコヤソニにも終止符が打たれることとなった。

惜しまれながらもファイナルを迎えた今回のコヤソニでは、初日の13日で動員数が過去最高の9,700人を記録。グランドフィナーレの15日には、"ゴーストライター騒動"で話題となった作曲家の新垣隆氏が出演したほか、レキシ、スガシカオら人気アーティスト、藤井隆、友近らお笑い界のスターが登場。さらに、2008年の第1回から出演している曽我部恵一率いるサニーデーサービスが吉本新喜劇の大ベテラン・池乃めだかと共演するなど、音楽とお笑いを融合させたコヤソニらしいパフォーマンスが続いた。

そして大トリを務めたのは、この日を最後に解散となるビッグポルノ。メジャーデビュー曲の「KING TIMER」など下ネタラップの7曲を、小籔は声を涸らせて熱唱。レイザーラモンHGは「最後、思い切っていくぜ!」と「ペ○ス!」を局部を連呼する下ネタコールで観客を煽り、RGは大興奮の客席にダイブするなど、ラストを飾るにふさわしい熱いステージとなった。

これが見納めとなる熱演を終え、挨拶に立ったビッグポルノ。レイザーラモンは、RGが「ビッグポルノ、コヤソニの歴史は、小籔さんに褒められたい、認められたい一心でがんばった歴史でした。あまり笑わない人なので、ニヤリとさせたかった」とビッグポルノの12年、コヤソニの7年の活動を振り返り、HGが「芸人としては思い出の詰まった12年でした。解散は寂しいですけど、これからはもっともっと漫才に力を入れてがんばっていきたい」と漫才師としてのさらなる活躍を誓った。

小籔は「この3人で初めてイベントをやったとき、100人のキャパをいっぱいにできるのか? と周囲に言われて悔しい思いをしました。そのときの『いつか見とけよ!』という気持ちでやってきたイベント」と不遇の時代の悔しさをバネにコヤソニを続けてきたことを明かした。だが、回を重ねるにつれ、多くのファンやスタッフに支えていることを痛感し、「たくさんの人に負担をかけていると思うと胸が痛かった。止めようかと思ったこともあった」と心情を吐露。「調子にのった芸人が、せんでええことにおつき合いいただいたみなさんに感謝します。ありがとうございました!」と頭を下げた。

この後、ステージの巨大スクリーンに映し出されたエンドロールでは、コヤソニ7年間の名シーンを写真で綴るとともに、コヤソニを支えたスチャダラパーの曲「彼方からの手紙」のPVが流れたが、途中からPVの出演者がビッグポルノに変わり、それぞれの思いをラップで披露するという心憎い演出も。その終盤、小籔から「必ずコヤソニ復活させるから」と復活を匂わせる言葉も飛び出し、終了を惜しんで涙するファンもいた客席から大きな歓声が起こった。

なお、15日の動員数は初日を上回る12,000人を達成。3日間で30,000人を超えるファンが押し寄せ、過去最高の盛り上がりを見せた。