厚生労働省はこのほど、2013年の雇用動向調査の結果を発表した。それによると、新たに仕事に就いた人の割合を示す「入職率」が、仕事から離れた人を示す「離職率」を6年ぶりに上回った。

入職率は前年比1.5ポイント上昇の16.3%、離職率は同0.8ポイント上昇の15.6%で、0.7ポイントの入職超過。入職者数は749万人、離職者数は718万人で、労働者数は1年間で31万人増えたものの、このうち25万人がパートタイム労働者だった。

2013年の常用労働者の動き(出典:厚生労働省Webサイト)

延べ労働移動率(入職率+離職率)は前年比2.3ポイント上昇の31.9%となった。

離職理由別の離職率を見ると、「結婚」「介護・看護」などの「個人的理由」が前年比0.5ポイント上昇の10.8%でトップ。以下、「契約期間の満了」が2.3%、「経営上の都合」などの「事業所側の理由」が1.1%と続いた。

産業別の入・離職率については、ともに「宿泊業、飲食サービス業」が最も高く、入職率は31.8%、離職率は30.4%。このほか、「サービス業(他に分類されないもの)」、「生活関連サービス業、娯楽業」などが高かった。また、16大産業のうち、入職率が超過したのは11産業で前年より6産業増えた。

転職入職者の賃金変動状況を見ると、転職した後の賃金が前職より「増加」した人は31.8%で、前年比では0.5ポイント低下。一方、「減少」した人は33.8%で、前年より3.4ポイント上昇した。

調査対象は従業員5人以上の事業所、有効回答数は上半期1万726事業所、下半期9,630事業所。